約 4,121,359 件
https://w.atwiki.jp/asaahingaeaw/pages/197.html
コードギアス反逆のルルーシュでの最後で分かれた世界での作品。ちなみに発売は2030年ぐらいと推測されている。アサシン・零先生の小説。 他のシリーズ コードギアスシリーズ 物語のあらすじ ルルーシュは反逆のルルーシュの最後でナナリーを救うべくスザクと対峙した。スザクの右手と左脚を銃で負傷させたルルーシュは合衆国日本の建国を目指し、奮闘する物語である。この世界ではルルーシュはなるべくギアスの力を使わず正体を黒の騎士団のみにあかし、指揮官として共にブリタニアと戦う事になる。ルルーシュ側は良かったがスザク側であるブリタニアは敗戦が続き、スザクも瀕死でロイド達やブリタニア将兵と共に逃亡生活を送ることになる。 登場人物の違い シャーリーは生き残るがロロはブラック・リベリオンに巻き込まれて死去する。ルルーシュがゼロの正体と判明してからは官僚にならないが黒の騎士団に加入する。 スザクは逃亡側なので頼るのがロイド達と学園の人達しかいない。 ルルーシュは合衆国日本の初代総帥となるが他の黒の騎士団も官僚となる。未成年であるカレンも同様に最年少の官僚となっている。 防衛省・藤堂、カレン 内務省・扇要、朝比奈省悟 外務省・南佳高、シャーリー 情報管理省・千葉凪沙 など ブリタニア皇帝シャルルはルルーシュを認め、自分に自分の存在を消すギアスを書ける。 ナナリーは「赦せナナリー」の台詞をルルーシュが言い、泣きながら処刑するシーンがある。 ヴィレッタは途中でルルーシュ側に寝返り、そのまま反逆のルルーシュR2同様に扇と結婚する。戦いからは退き、学園の教師になり、子供達を守る立ち場となる。 中華連邦の宦官達はルルーシュの協力の元、アニメどおり、殺される。 ルルーシュの他兄弟であるコーネリア・リ・ブリタニアは物語開始時点で既にブラック・リベリオンでルルーシュの元で死刑執行になったり、次兄のシュナイゼル・エル・ブリタニアも戦死してしまたっり、長兄のオデュッセウス・ウ・ブリタニアは内乱に巻き込まれて死去したとされている。ギネヴィア・ド・ブリタニアやカリーヌ・ネ・ブリタニアは自決したりと帝国の弱体化が謙虚に現れた。 ルルーシュは後にシャーリーと結婚してギアスの遺伝がない子供を3人授かっている。黒吹 雄一、黒吹 雫の子供は黒吹 零士 黒吹 麗子 黒吹 暁斗である。 C.C.が自らルルーシュに懇願し、自身の存在を消して貰った。その後のルルーシュはギアスが消えたが独立勢力の指揮官としてすごす。 各勢力 合衆国日本(黒の騎士団) ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアはブリタニアと決別すべく正式に日本の黒吹 雄一を名乗る。 主な所属人物 ルルーシュ(黒吹 雄一) シャーリー(黒吹 雫) 紅月カレン C.C. 扇要 玉城真一郎 南佳高 杉山賢人 井上直美 吉田透 藤堂鏡志朗 四聖剣 千葉凪沙 朝比奈省悟 仙波崚河 卜部 巧雪 ディートハルト・リート ラクシャータ・チャウラー ジェレミア・ゴットバルト 新キャラ 浦上 健吾 吉田 薫 冠城 信介 中田 春樹 村上 昴生 エリア11ブリタニア残党軍 枢木スザク ロイド・アスプルンド セシル・クルーミー ギルバート・G・P・ギルフォード アンドレアス・ダールトン グラストンナイツ 新キャラ ゼルダ・アスプルンド アリス・シンセティスラン ゼフィロス・アージープリキド マークス・オリジンティ ユーリス・レドハルト ブリタニア神聖帝国 オデュッセウス・ウ・ブリタニア ギネヴィア・ド・ブリタニア カリーヌ・ネ・ブリタニア シュナイゼル・エル・ブリタニア コーネリア・リ・ブリタニア シャルル ジノ・ヴァインベルグ ニーナ・アインシュタイン 登場メカ 合衆国日本(黒の騎士団) 無頼(コードギアス) 無頼改 紅蓮弐式 焔月 月下(コードギアス) 暁 満月α 満月ω 斬月Ⅰ 斬月Ⅱ 暁月Ⅰ 暁月Ⅱ 水星Ⅰ 水星Ⅱ 零月(ルルーシュ搭乗機) エリア11ブリタニア残党軍 ランスロット(コードギアス) サザーランドⅠ サザーランドⅡ ポートマンⅠ ポートマンⅡ グロースターⅠ グロースターⅡ ヴィンセント ガレス イージスゼロⅠ イージスゼロⅡ ブリタニア神聖帝国 トリスタン サザーランドⅠ サザーランドⅡ ポートマンⅠ ポートマンⅡ グロースターⅠ グロースターⅡ ヴィンセント 物語の戦役 ブラック・リベリオン(東京決戦) 第二次成田連山の戦い 神戸の戦い 東京租界沖海戦 ブリタニア侵攻作戦 六・二・五事件 五・七・五事件 太平洋沖の戦い 真珠湾の戦い ペンドラゴン侵攻作戦 ロンドンの戦い 帝都決戦 零月ことルルーシュVSランスロット(コードギアス)ことスザクの一騎討ち アラスカの戦い メキシコの戦い 終戦後の後日譚 ルルーシュは合衆国日本の初代首相黒吹 雄一としてシャーリーこと黒吹 雫と共に結婚して子供を授かっている。ナナリーを失った分、新しい生命を授かり、父親として時には首相として誠実にすごした。 扇要はヴィレッタと結婚し、アッシュフォード学園にて教師も勤める。官僚としての立場もあった彼は合衆国日本で初代内務省の内務大臣として働くことになる。 玉城真一郎は合衆国日本の初代総務省の総務大臣となる。 南佳高は合衆国日本の法務省の初代法務大臣となる。 杉山賢人は合衆国日本の初代国土交通省の国土交通大臣になる。後に立憲民主党を作ったと言われている。 井上直美は合衆国日本の初代財務省の財務大臣となる。 吉田透は合衆国日本の外務省で働く官僚となる。 藤堂鏡志朗は合衆国日本の初代防衛省防衛大臣となる。 千葉凪沙は合衆国日本の初代外務省の外務大臣となる。 朝比奈省悟は防衛省で働いた後に経済産業省で初代経済産業大臣となる。 紅月カレンは合衆国日本で防衛省の統合幕僚長に任命される。 四聖剣は合衆国日本で防衛省の統合幕僚長に任命される。 卜部 巧雪は合衆国日本で防衛省の統合幕僚長に任命される。 ラクシャータ・チャウラーは防衛省の技術部に配属される。 篠崎咲世子は外務省の官僚としてすごす傍ら、ルルーシュとシャーリーにメイドとして再び雇われた。 ジェレミア・ゴットハルト ルルーシュとシャーリーの家のバトラー(執事)として働き、首相代理兼官房長官に任命される。またブリタニアとの講話条約ではルルーシュと共に手伝いをした。 ヴィレッタ 扇要と結婚して子供を3人授かるとアッシュフォード学園を改名。東京中央新翠学園としてその理事長を勤める事になる。 枢木スザク 刑務所へ収監され、懲役24年の刑を受けた。刑期を終えた後は東京中央新翠学園の歴史・社会の教師を勤める事になる。 ロイド・アスプルンド 刑務所へ収監され、懲役25年の刑を受けた。刑期を終えた後はスザクと共に物理学・理学(理科)の教師として勤める。 セシル・クルーミー 刑務所へ収監され、懲役19年の刑を受けた。刑期を終えた後は新宿のカフェで働いた。 ギルバート・G・P・ギルフォード 刑務所へ収監され、懲役19年の刑を受けた。刑期を終えた後は素性を隠しながら風見良樹と名乗り、理髪店で働いた。 ゼルダ・アスプルンド 刑務所へ収監され、懲役18年の刑を受けた。刑期を終えた後は学園で国語の教師として働いた。
https://w.atwiki.jp/wiki7_vipac/pages/348.html
第十二話 ウィルス 『だ、だめぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!』 その瞬間カナミの脳裏にレンナと過ごした日々が、鮮明に映し出された動画のように流れ、 目の前の光景はスローモーションのように流れて行き、 カナミの認めたくない現実が、嫌でもカナミのその藍色の瞳へと、刻まれてゆく。 『ぁ、ぁぁ、、そんな、、、。』 何度見直しても、目の前にはレーザーブレードで上半身を切り裂かれたACが、地に膝をついている。 そしてその前には、漆黒の重量二脚ACが立っていた。右腕にはWH04HL-KRSWを持ち、重装甲に固められたACだ。 漆黒のACが、カナミのAC INNOCENTのほうへと、その体の向きを変える。 「ようこそ。我が施設の中枢へ。」 カナミの目の前からのACではない。部屋のどこかからだろうか、声が聞こえてくる。 「レンナ=フォーチュン、、まさかここまでたどり着くとはな。 侮りがたい存在だったが、彼女はもういない。」 涙を流し無力に震えるカナミを知ってか知らずか、声の主は語り続ける。 「君はあの牧場の娘だな。」 声の主が尋ねる、、が、カナミは返事をしない。 「レンナ=フォーチュンに感謝せねばならないな、 我々の求めていたサンプルを、ここまで誘導してくれたのだから。」 『サン、プル、、?どういう事、、、?』 カナミがその言葉に反応し、声の主に尋ねる。 「ふむ、、教えてやろう。君は感染体だ。」 どういう事だろう、とカナミは思ったが、声の主はその答えをすぐに述べた。 「我々が以前の施設で研究していたウィルス、TRExβ223というものがある。 それは我々が生体兵器を研究していたさい、生体兵器に感染したウィルスの変異体だ。 そして君は、そのウィルスに感染しているのだよ。」 なぜ、、、?どうして、、、? カナミの頭に、その言葉が延々と流れて行く。 今まで生きてきて、そのようなウィルスに感染するような機会に遭遇した覚えが無かったからだ。 そんなカナミをよそに、声の主が語り続ける。 「昔、ある偶然、、いや、奇跡だろう。 兵器のFCSに新しい未来予測システムを組み込んだ、まったく新しいパーツを作ろうとしていた時、それは起きた。 そのパーツの原理は火器管制に空間認識能力に長けた生体神経部品を利用し、 ロックオン対象物の機動予測の計算力を著しく上昇させるというものだったのだが、 生体部品が研究者の手違いで同施設で研究していた、とあるウィルスに感染してしまってね。 生体部品は全てダメになったが、そのウィルスは変異を起こし、感染した者に未来予測の能力を与える新たなウィルスが誕生した。」 カナミにとってそれは、夢物語のようにも聞こえた。 声の主の語りは続く。 「その夢のようなそのウィルスを我々はさっそく、強化人間技術へと利用する事にした。 たが、、、元が同施設で研究していたウィルスというのが足かせとなった。 本来致死率100%のウィルスだったそれは、感染し死に至るまでの間しか、その能力を宿主に与えなかったのだ。 その時間は感染してから一週間であり、それを我々は克服する事ができなかった。 そんな時、君達家族が現れた。 最初に確認したのは、市民の定期健康診断で発覚した、君の父親、寺杷だった。 ウィルスに感染した経歴は不明だが、感染してから一年以上経っても発病していなかった彼は、 我々の研究対象として興味深い男だった。 だがしかし彼は我々が目を向けた瞬間、謎の失踪をし、その後我々の施設はレンナ=フォーチュンによって破壊された。」 声の主がいったん語るペースを止めるが、しばらくの間の後、再び語り始める。 「数年後、新たな施設に移り研究を再開した我々の元に、寺杷の情報が入ってくる。 どうやら牧場を経営しているらしいとの事で、我々はその牧場の調査に向かった。 手始めに牛を盗み、牧場の牛にウィルスが感染しているかをチェックした。 牛達に感染はしていなかったが、空気感染の可能性を捨てきれない我々は、 それからも定期的に牛達を盗み続けた。」 『あなた達が、レンナさんの言ったとおり、牛泥棒、、、!』 「その通りだ。だがしかし、ここで困った事が起きた。 キサラギ内部で細菌兵器や生物兵器等の研究への反対派の権力が強くなり、 証拠隠滅のため、反対派からレイヴンが各地の施設へと送り込まれた。 そのさい君達の牧場にも、我々の記録を元にレイヴンが差し向けられた。」 そのレイヴンが父を殺したレイヴンだったという事は、カナミにも容易に予測がついた。 「牧場に送られたレイヴンは、牧場を守っていたレイヴンである寺杷に対抗するため、 腕利きのランカーレイヴンが送られた。 我々は貴重なサンプルが失われてしまう事を恐れ、当初、君をさらう予定で部隊を向かわせた。」 『どうして私を、、。』 「寺杷も感染者だったが、我々の調査によるとその時、 未来予測の能力が発現していたのは、君だけだった。君は気づいていなかったようだがな。 そこで我々は寺杷と反対派が送ったレイヴンが戦っている間に、サンプルとして君を回収するつもりだったのだ。 だがしかし、我々の部隊が到着した瞬間には既にAC同士の戦いに決着がついており、 そこで別のサンプルを回収できた我々は、君をさらう事をやめ、施設に帰還した。」 カナミはここで、ふと声の主の言葉に疑問を持つ。 『別の、、サンプル?』 研究者はカナミの反応を見て、カナミに向け言い放った。 「まだわからないのか。君の目の前にいる者が、寺杷だ。君の父親だ。」 カナミには、声の主が何を言っているのかわからなかった。わかりたくなかった。 『嘘、、言わないでよ。』 「初めて君の目の前に現れた時、わかったとてっきり思っていたんだがな。 ウィルス感染者は、他の感染者が近くにいる事を察知できるどころか、訓練や能力のレベル次第で、 その個人の特定や、おぼろげだがそれの意思や未来を感じたりできる事も、我々の研究からわかっていた。 君は父が死のうとしている時、何も感じなかったのか? 以前父が再び君の前に現れた時、妙な気持ちを感じなかったのか?」 研究者が言うとおり、父が敵レイヴンに命をかけて戦おうとしていた時、カナミの心には不安のような気持ちが広がっていた。 だが、以前の依頼の時、カナミは気絶していた。 しかし気絶していなくとも、カナミにはそのような事がわかるとは、とても思えなかった。 『お父さんが、、あなた達に、協力するわけない!!』 カナミは全力で、声の主の言葉を否定した。だが、、 「君の父親は、我々の手で兵士として調整を受けており、もはや我々の道具なのだ。」 声の主が、カナミの精神の逃げ場所を無くすかのように、追い討ちをかける。 カナミが呆然としていると、その部屋に、以前カナミを罠にかけた女のACがやってくる。半壊状態だ。 「来たか、感染体No.02。」 声の主が出迎えると、感染体No.02と呼ばれた女が、カナミに語りかける。 「ふん、、。もう何も言う気力が無いみたいね。ま、当然ね。」 女がカナミを鼻で笑う。 「あぁ、そうそう、良い事を教えてあげようか?」 カナミは、まだ何かあるのかと思いながら、それに耳を傾ける。 「感染体No.00、あなたのお父さんだけど、私がもらっちゃったわ。」 女の言葉が、カナミには理解できなかった。 「あなたのお父さん、ACの爆発に巻き込まれたショックで、記憶喪失だったのよ。 でもね、あなたの存在は おぼろげに覚えてたらしくて、かなみ、かなみって、毎日病室のベッドで寝ながらうなされるの。 だから、私が代わりの存在として、彼に与えられた。 私も彼が気に入ったから、毎日こう呼ぶの、、、」 『やだ、やめてよ、、。そんな、、、。聞かせないで、、!』 「"お父さん"、ってね。」 『嫌、嫌だよぉ、、嘘だよね、夢だよね、こんなの!』 カナミは錯乱し、自問自答を繰り返す。 「嘘じゃないわ。これが現実よ! そういうわけで、私は貴様が邪魔でしょうがない!!」 女は突然口調を荒げカナミに向かって叫ぶと、アサルトライフルを向ける。 「待て。」 そんな女を、さきほどの声の主が制止する。 女は舌打ちをし、銃を下げる。 「どうだろう、カナミ君。一つ提案があるのだが。」 声の主が、半ば狂乱になりかけそうな、カナミに言う。 「君が投降し、我々の実験体になるなら、父親を君に返そう。」 そんな、と女が声の主に向かって言うが、声の主はペースを濁す事なく、カナミに語り続ける。 「どうだね?悪い提案じゃない。また親子揃って、平和に暮らせるぞ。」 カナミはそれを聞き、そうしようと思えた。 もし声の主の言うとおりにすれば、実験体としての毎日が待ち、声の主が言うような虫の良い日々は送れないだろう。 だがしかし精神をズタズタに追い詰められたカナミには、冷静な判断を下せなかった。 「もしもその通りにするなら、"はい、わかりました。キサラギの実験体となる事を望みます。"と一言言うがいい。 そうすれば、素晴らしい日々が待っている。」 この一言を言わせるのはほとんど声の主の趣味であったが、カナミの心を折るのにも十分な威力もあるだろう。 さぁ言え、さぁ言え、と声の主は心を湧かせ、カナミの一言を待つ。 カナミはもう何も考えられず、誘導に乗ってしまい、その一言を発し始めた。 『はい、わかりまし、、』 カナミが言いかけたその時、女のACの真上から銃弾の雨が降り、女のACをコナゴナにする。 「な、何者だ、、、?!」 声の主が、銃弾の雨と共に振ってきたモノへと叫ぶ。 煙の中を動き、瞳を怪しく光らせるそれは、一言、そう答えた。 「俺の名は、、リム・ファイヤー。」 その名を聞いて、声の主が驚愕する。 「リ、リム・ファイヤー!?感染体No.02め、仕留めず逃げてきたのか!!」 絶望に打ちのめされているカナミに、一言リムが叫ぶ。 「お前が守りたかった父から受け継いだものを、今ここで、全て壊すつもりか?」 カナミはそんなリムの言葉に、ピクりと体を反応させ、正気を取り戻しはじめる。 さらに、カナミの耳にノイズ交じりにありえないはずの声が聞こえてくる。 「―か―み―ゃん―」 それは、破壊されたと思っていた空色のACからの通信だった。 「―なみちゃん―かなみちゃん、聞こえる?!」 『レンナさん?!』 空色のACはコアが派手に破壊されたように見えたが、紙一重のところでコクピットが無事だったようだ。 『よかった、、。』 「かなみちゃんが叫んだ瞬間、あのACの踏み込みが甘くなって、コクピットはギリギリ斬られずにすんだみたい。 ごめんね、すぐに生きている事を教えてあげられなくて、、気絶してたから、、、。」 無理もない。相手の踏み込みが甘かったとはいえ、それ相応の衝撃を、レンナはコアに受けていた。 『いえ、いいんです。生きていてくれたから。』 喜び、泣きながら満面の笑顔で言うカナミ。 その横でさきほどの声の主は、計算外の展開に心を打ちのめされていた。 「バカな、、くそっ、感染体No.00!奴らを始末し、感染体No.01を確保しろ!! 逃がさんぞ、、!」 感染体No.01とはカナミの事なのだろう、施設の隔壁が閉じ始め、漆黒のACが行動を開始する。 「そうはさせん。」 リムが応戦し、相手をけん制しつつカナミとレンナへ、指示をする。 「かなみ、、それと、レンナという奴。俺がここを引き受ける。お前達は、施設の外へ戻れ。」 『リムさんは?』 「俺は、お前達の作戦領域離脱を確認した後、ここを脱出する。」 そう言うリムに対して、レンナが言う。 「あの人は、、強いわ。それに、いくらあなたでも、ここに一人じゃ死ぬわ、、、!あなたも一緒に、、、」 レンナが途中まで言いかけると、リムが再び答える。 「俺はお前達二人を生かす依頼を受けた。 それを確実に遂行するため、俺は一緒に行けない。」 そう話している間にも、隔壁が降りて行く。 「さぁ、はやく行け!でなければ、俺がお前達を殺す!!」 「ありがとう。」 レンナが一言、リムにお礼を言う。 「かなみちゃん、彼の言う通りにしましょう。 お父さんは大丈夫。彼らの重要な実験体である限り、無事に生き続けるわ。 ここは私達が生き残って、再び彼らと出会える日を、待ちましょう。」 『、、、わかりました。』 空色のACが進入口へ向かい、部屋から脱出すると、INNOCENTもそれに続いていく。 INNOCENTが進入口の通路に登りきると、いったん止まり、カナミがリムに対して叫ぶ。 『リムさん、本当にありがとう。絶対、生き残ってください。 次会う時は、こんな所じゃなくて、、』 「はやく行け。」 『、、はい!また、会おうね!!』 「あぁ。願わくば、その時はお前がレイヴンを辞めてくれている事を願う。さらばだ。」 二人が会話をし終えると、進入口の隔壁が閉まったのだった。 「さぁ、行くわよ、かなみちゃん。ついてきて。」 通路を疾走していくINNOCENTと空色のAC。 「ここを右。」 INNOCENTと空色のACが、最初にレンナが進入してきたであろうゲートの道へ入る。 「あとはここを左に曲がって、まっすぐ行けば外よ、、、!」 だんだんと明るい光が見え始め、外へ外へと近づいて行く。 二機のACが施設の外へと脱出した瞬間、それは現れた。 「なんなの、、?あれは、、、。」 それは赤色の、ほぼACのコアサイズの大きさの、レンナがまるで見たことの無いような兵器群だった。 空からいくつもの数のそれが襲来し、街を破壊していく。 『街が、、、。』 カナミとレンナがそれを呆然と見ていると、空を円軌道で飛んでいた兵器群のうち数体が、 INNOCENTと空色のACに向かって飛んでくる。 「危ない!」 危機一髪で回避するINNOCENTと空色のAC。 「ここにいたら危険ね。何がなんだかわからないけど、すぐにレイヤードに入りましょう!!」 幸いそこは牧場からも近かった事で、レイヤードへの入り口も近かった。 「あと少しよ!あそこまで行けば、、。」 二機のACが全力でブーストを吹かし、レイヤードの入り口へと走る。 『やっとついたぁ、、。』 無事レイヤードへ続く通路へ入り、二人は安堵した。 だがしかし、予想外の事態が起きる。 空から降ってきていた兵器群のうち一機が、通路まで追いかけてきたのだ。 油断していた二人は回避する事ができず、それは空色のACに直撃してしまう。 『レンナさん!』 そこまでダメージの蓄積していた空色のACはついに限界を迎える。 レンナはACから脱出しようとしたが、コクピットハッチが壊れて脱出ができなくなっていた。 ACのコクピットは搭乗する時、その機体のサイズ上複雑に組み込まれており、 その機構が破壊されていると、まず脱出は不可能になる。 「ACがもう、動かない、、。」 そうしている間に、兵器群が通路へとAC目掛けて進入をしてくる。 それを次々と撃ち落すINNOCENT。 『どうしたら、、弾も無限には続かない、、、。』 「かなみちゃん、私を置いて、あなただけでも生き延びなさい。」 レンナがカナミの身を案じ言う。 『できないよそんな事!』 カナミは全力でそれを否定し、叫ぶ。 「ダメよ!このままここにいたら、あなたも死んじゃう!! 私は、あなたに死んでほしくないの。絶対に、、。」 それはレンナの心からの願いだったが、カナミにはできなかった。 カナミはなんとかできないかと懸命に考え、一つの結論を出す。 『これしか、、無いね。』 カナミは意を決すると、ACの腕部マニピュレーター精密制御用の装置を腕に装着する。 「何をする気なの、、?」 『レンナさんのコクピットのハッチを、ACでこじ開けます。』 たしかにそれはACのパワーと器用さを利用すれば、可能な事だった。しかし、、 「だめよ!その間、あなたは無防備になるわ!!」 その通りだった。ハッチを開けるのに両手を塞がれた形で、空色のACを守り抜くには、 迫り来る兵器群からINNOCENTが身を挺して空色のACを守らなくてはならない。 それはまさに、命がけの作業だ。 『私は、もう何も、大事なものを失いたくないの。命を懸けてでも。 今までずっと、命を懸けてレイヴンになって牧場と私を守ったお父さんの気持ちが、理解できなかった。 だけど今は、それがすごく良くわかる。』 「かなみちゃん、、、。」 INNOCENTが、空色のACのコアに手をかける。 『レンナさんが、手紙で私を妹みたいって言ってくれて、すごく嬉しかった。 レンナさんがお姉さんだったらいいな、っていつも思ってたから。 これからもまだいっぱい一緒にしたいがあるから、、だから、絶対に死なせない!!』 INNOCENTがコアからコクピットを引き出す作業を、淡々と続けて行く。 そんなINNOCENTへ、通路の入り口から兵器群が進入し、次々と突撃していく。 損傷が次々と深刻になってゆくINNOCENT。 「ダメ、ダメ、、!このままじゃ、私が助かっても、かなみちゃんが、、!!」 『大丈夫、、、。』 その状況がいつまで続いただろうか、INNOCENTが空色のACのコアからレンナを引き出す事に成功する。 『やった、、あとは!』 すぐにカナミはINNOCENTをその場で360度旋回させ、入り口側に向かせる。 「かなみちゃん?なにを、、。」 『INNOCENTを壁にして、あれの進入を防ぎます。』 カナミはINNOCENTをオート操作にすると、コクピットのハッチを開き、タイミングを計り、降りる。 『さぁ、急ご!!』 そう言うと、カナミはレンナの手を引き、一気に通路を走りぬける。 「(かなみちゃん、、。なんだかすごく、逞しくなったね。)」 レンナはその時、カナミの小さな背中が、とても力強く思えた。 カナミは通路の突き当たりのゲートの中にレンナと共に到着すると、後ろを振り向き、INNOCENTの様子を見る。 狭い通路だった事が幸いし、INNOCENTはただその場で銃を撃っているだけで、 ロックオンサイトに入ってきた兵器群を、次々と撃ち落としていた。 だがしかし、それも少しの間だけだった。 次第に勢いをました兵器群にINNOCENTのペースが追いつかなくなり、 レイヴンの乗っていないそれは、普段の力強さが嘘のように、突撃してくる兵器群の前に力なく沈黙した。 静かに通路に膝を突くINNOCENT。 兵器群が次々と突撃し、少しずつバラバラになっていくINNOCENTを見てカナミは、言った。 『ありがとう、、INNOCENT。そして、さようなら。』 ゲートが閉まりはじめ、その中に少しずつ消えて行くINNOCENTの姿は、 まるでこれからの世界の姿を、予感させるものだった。 続く
https://w.atwiki.jp/hurosuto/pages/57.html
俺達のチキンレースは、遂に延長戦まで延びた。 戦って、裏切られて、裏切って、殺して…。 幾度となる罪を重ね、幾度となる業を背負い、俺は今に辿り着く。 今となっては、復讐心すら薄れていっている。 だが憎しみは消えない。人間と、ヴィアへの憎しみは増すばかりだ。 だからもうこれは復讐ではなく、ただの私闘と変わった。 見た目こそ同じかもしれないが、中身が違う。 この罪と業を惑わすには、俺が一人になるしかない。 だが、自害するのもプライドが許さない。ならば、俺以外が消えてなくなればいい。 だからヴィア、お前は必ず殺さなければならない。 俺が生きる為に、俺が俺である為に。 ▼ 「ここが、フリージア本部」 「覚悟はいいな?」 施設の正面に到着したが、敵は出てこない。 入り口が二つあり、俺とリンは別行動となる。だがありがたいことにドアは開い ていた。 「舐められたものだな」 「全くだ。派手にいくぞ」 「私は左へ行く」 「なら俺は右だ」 待ってろ。今すぐ行ってやる。 俺達が400年も望み続けた舞台だ、終幕には丁度いい。 入り口に入ると、長い廊下に出た。かなり長いのか、奥は霞んで見える。 「職員はいないのか?」 人の気配はしない。魔力反応も無い。中に入った途端、鉛弾の歓迎かと思ったが 、違うようだ。 逆にここまで何もないと気味が悪い。それとも、これはフリージアの挑発なのか。 もう入り口が霞んで見える。 かなり歩いたが、防衛システムも迎撃部隊も何も無かった。 「…これは」 扉の向こうから、微かだが魔力を感じる。それもかなりの数だ。 「お前たちは…!!」 扉を入ると、かなり広い部屋に出た。 そこに居たのは─── 「ガーディアン…」 「そうです。中々どうして良い出来でしょう? これは様々な世界に保存されて いたガーディアンたちなんだ」 「お前は、ファッカ…」 「憶えていてくれて嬉しいよ」 無数のガーディアンの奥に、ファッカは居た。 こいつらは他世界から眠りを解かれたガーディアンだというのなら、かなり厄介だ。 「感動の再会ですね」 「…そうだな」 全員があの頃のままだというのか、ガーディアンの戦闘服を着た動かぬ守護者た ちは、目を開けたまま俺を睨む。 きっと、こいつらはまだ“機動”していないんだろう。 「400年前の戦争の話しは聞ききましたか?」 「ああ。“俺かアンヘル”の話しだろ」 「そうです。そしてこの子たちはどちらだと思いますか?」 「さあな。どちらにせよ、こいつらは敵でしかない」 かつては俺の意志を継いで戦った者たちでも、フリージアに捕獲されたのならも はや味方は無いだろう。 こいつらを見る限り、全員同じデバイスを持ってるみたいだ。 「まあそうですね、貴方が正解を当てようと戦うのは必然です」 「…フルンティング」 「では、お客様に歓迎を」 ファッカが指を鳴らすと、すぐに変化が起きた。 見渡す限りざっと百人は居るだろうガーディアンたちは、一斉に目に光が籠る。 「お互い死にぞこないだ。そんな姿になってまで、未練はないよな」 「目標確認」 一番先頭のガーディアンが言う言葉に反応して、全員が復唱する。 「俺は先に行かなくちゃいけないんだ。いくら元部下とはいえ、手加減はできん ぞ…!」 「デバイス、セットアップ」 『Set Up』 ガーディアンが持っているデバイスは、全て剣だ。 そしてあれだけ束になって動いていたら、いくら広いこの部屋でも身動きは取り づらいだろう。 そして── 「忠告だ。俺が一番得意なのはな、“広域魔法”なんだぜ。いくぞ!」 詠唱を唱え、敵陣に突っ走る。こんな雑魚たちに構っている暇は無い。 早く、奴の元へ行かなければ。 ▼ 「ふん。久しいなキャメル」 「また会えたねリベリオン。この前の仕返しというわけじゃないけど、今日こそ は殺してあげるよ」 「お前が私を殺れるのか? 所詮、お前は劣化品だ」 入り口からすぐの部屋に待ち構えていたのは、キャメルだった。 敵は彼女一人らしく、他に敵影は見えない。 それはそれで有難いことだ。いくら元は下級ガーディアンとはいえ、キャメルた ちは私同様にジュエルシードの魔力をある程度吸収した個体であることに違いは ない。 この前のように油断すれば痛い目を見るのはこちらだ。 「ボクは劣化品なんかじゃない!」 「なら劣化品という言葉、お前の力で覆してみろ」 「いいよ、どうせ勝つのはボクだし…そうだね、負け惜しみとして受け取ってお くよ」 「御託はいい。──いくぞ…!」 私とカラドボルグが、首を貫こうと突進する。この一撃は必ず防がれる。 だがキャメルはまだギアを出していない。 前はリザのギアの第2能力しか拝めなかったからな、キャメルが何をしてくるか 分からない。 それに、ロストロギアが埋め込まれているならば、相当な戦闘能力だろう。 「もらった…!」 最後までギアを発動させていない。むしろ天ノ羽々斬《アマノハバキリ》さえ出 していなかった。 カラドボルグが、奴の首を跳ねる。 「え──?」 「ギア2nd、タナトスの結界は既に発動しているんだ」 カラドボルグが無い…? いや、確実に私はカラドボルグを持ち、走った。 だが首を突き刺そうとした時には、私の手に黄金のデバイスは無い。 「貴様、一体なにを!?」 「君のデバイスなら、そこに落ちてるよ」 「一体なにをした」 カラドボルグは私が走り始めてすぐの場所に落ちている。 後退して、すぐにカラドボルグを拾い構える。 「ほら、ちゃんと拾わないと」 「なに?」 確かにカラドボルグを拾い構えた。構えた筈だ…じゃあなんで、カラドボルグは まだ床に転がったままでいる。 「もう一回試す?」 「…………」 拾い、構えるまではいい。 だが私はちゃんと拾って構えたと“意識”した筈なのに、実際は何も出来ていない。 『リン、素手で戦うのです』 「…それしかないのか。奴が武器を持たせない能力ならば、デバイス使いには天 敵だな」 「ギア、天ノ羽々斬!」 「能力の説明ぐらいしたらどうだ? 対処のしようがないぞ」 「ふん。今回はリザがいないからな、ボクが負ける要因は無い!」 「拳はちときついが…致し方がない」 私はリザに殴るためまた走った。 相手はデバイス同様武器を持っている。素手で戦うには手強いと言う他ない。 「はぁあっ!」 「何処を殴ってるんだい?」 「またか…!」 一体どうなっている。デバイスも素手でも奴にダメージを与えられていない。 おかしい。私は確かに奴の懐まで入り込み、そして確実に当たったと確信する。 だが実際は私の拳は空を切っている。 「羽々斬!」 「くっ…!?」 肩を斬られた。素手のままでは、すぐに殺られてしまう。 打開しなければ、ヴィアに会わせる顔が無い。 「カラドボルグ! 何か対策はないのか!」 『分かりません。彼女が使う魔法の能力が分からなければ…』 「ふん。無駄なことさ、ボクのタナトスの結界には隙なんてない」 何も出来ないまま、ただ逃げるしかない。 だが疑問はある。身体に何か異常をもたらしたのは分かるが、何故持てないのか。 持った事を意識したが、実際は持てていない。 「まさか…」 「終りだよ!」 「…賭けにしては勝目が無さすぎるが、やるしかあるまい…!!」 天ノ羽々斬が、私の首に向かって降ろされる。 「雷鳴、我に仇なす愚者に迅雷の轟きを──!!」 「詠唱魔法…?!」 「──雷光壁!」 羽々斬が私の首を落とす寸前、リザは雷の魔法壁に直撃して吹き飛ばされる。 やはりキャメル、お前の能力は── 「感覚を消すのか」 「くそ…どうして」 「人間は何かをする時には、必ずその行動を意識する。私がカラドボルグを拾おうと した時も拾うと“意識”して武器を構えた」 「………」 「意識の次は“感覚”だ。手に持つ意識をした次は持っているという感覚を持つ 。それが無い。お前は…感覚を奪う能力なんだな」 「…ほとんど正解、と言っておくよ」 「だったら確実に当たる魔法を喰らわせればいい」 「やってみなよ。ボクは…お前何かに負けない」 「広域魔法は得意じゃないんだがな…」 意識を集中する。 私が出来る数少ない広域魔法だが、キャメルを倒すにはこれしかない。 「雷波召雲!」 何も、起きない。 確かに私は魔法を使った筈だが…。 「…馬鹿か私は」 「全くだね。魔法を使ったという感覚を奪えば、使えないだろうに」 「…なんだ、それじゃあ私に勝ち目は無いのか?」 「そうなるね。まぁさっきは偶然だよ、まさか能力がバレるとは思わなかった」 「むぅ。一体どうすれば」 全く。笑う気も失せる。 今の私では奴の能力を打開するのは難しい。 だがこちらにも、今は退けない理由がある。 「ヴィアと約束したからな。お前は意地でも倒す」 「ヴィアトリクス様はどうせアンヘル様に負けるよ。勝ち目なんて無い」 「確かに負けるかもな」 「だったら、なんであいつの味方なんてするんだ。元はこっち側のガーディアン だろう!?」 「やはり敗けられない。私は私を赦《ゆる》した。この運命を、この罪を、私が 私を赦す方法をヴィアが教えてくれたんだ」 キャメルからしたら私はただの逆賊に過ぎないだろう。 私にとっては、これは大切な戦いなんだ。ヴィアの願いを叶える、私が出来る唯 一の恩返し。 世界なんてどうでもいい。 誰かが苦しむのなんてどうでもいい。ただ私は、あいつの為に戦うだけだ。 「負け戦が好きなんだね」 「少し違うな。不利から逆転するのが、私はたまらなく好きなんだ」 「負け惜しみを言うね。だったらボクがすぐに黙らせてあげるよ!」 逆転、か。出来るなら、してやりたいものだ。 でも私には出来ない。力が足りないんだ。 羽々斬が私を刻むと同時に、私のプライドも刻んでいく。 どうしても退けない。勝てないなら、少しでも長く時間を稼がなければ。 『リン』 「……なんだ? 私は避けるので必死なんだぞ」 『裏切るつもりですか?』 「…何を」 『自分の気持ちを、貴女は裏切るのですか?』 「…状況を見ろ」 『目を逸らさないで下さい。前を見なさい。貴女が倒すべき敵がいます』 「───」 キャメルがいる。 天ノ羽々斬で、私を斬っている。 だからなんだ? 私に何が出来る。カラドボルグも持てない、魔法も使えない。 殴ることすら出来ない。 ねぇカラドボルグ、お前は私に何を期待しているんだ。 『戦いなさい、貴女の出来ることは、それしかない』 「どう、やって…戦、うんだ」 呼吸が荒い。血も流し過ぎた。 もう…まともにお前の声も聴こえないというのに。 『何を死のうとしているんですか。貴女は化け物です。そして数多くの“人間” の命を奪ってきた。なのに何故こんな敵に殺されるという真っ当な死を認めるん ですか』 「真っ…当な、死…?」 『貴女は化け物。こんな軽い苦しみを認めて死ぬ事は許さない。そう──貴女を 殺すことが許されるのは、ヴィアトリクスだけです』 「………」 ヴィアの事を考えると、血が熱くなる。動悸が早くなり、脳が活性していく。 長く忘れていた気がする。いくら人として生きようが所詮私は化け物だ。 誰かと何かの血が混じった、混血種にしか過ぎない。 人として生きるのは平和な時だけだ。私は、そのことを忘れていた。 「私は…リベリオンだ」 「なんだ、これ…。リベリオンは何をしようとしているんだ」 もう一つの血を、目覚めさせる。 “もう一つ”の自分を受け入れたガーディアンだけが使える、禁術より生まれた 最後の力。 「リベリオンの髪が、金色に…」 「私を見ろキャメル、これが、本当の私たちの姿だ」 「タナトスの結界も効かない…!? なんだよこれ…!?」 「これが私の混血、雷帝の姿だ!」 全身に雷を纏い、髪は金に色を変わった。 この力こそ、ガーディアンという化け物が出せる最高の能力だ。 カラドボルグを拾う。今度こそ、ちゃんと掴めているようだ。 『リン』 「ああ」 「…お前は一体なんなんだ!!」 「お前と同じだよ。同じ化け物の一端だ」 「くそぉおおおお!!」 「カラドボルグ!!」 デバイスがぶつかるごとに、部屋に金属音が響く。 怒りと動揺に満ちたリザの剣の軌跡は、剣士としては失格なほど見えやすい。 「カラドボルグ、終わらせるぞ!」 早く終わらせなければ、また感覚を奪われる。やはりキャメルのロストロギアは かなり上等な物なのだろう。 気を抜けばすぐにでもカラドボルグを掴めなくなりそうなほど強力だ。 「見せてやろう。カラドボルグの力を…400年間封印していた最強の形だ!」 金色の光と共に、長剣のカラドボルグが変わっていく。 その大きさ故に多大な魔力を喰う上に扱いが難しいこの型は、やはりこの混血を 発動させなければ使えない。 「モード、サイス!」 「なに・・・!? うわっ!」 デバイスに吹き飛ばされて、キャメルが壁に叩き付けられた。 「はは、懐かしいじゃないか、そのデバイス」 「そうだな。それよりも幾つか質問がある」 「…ボクが答えられる範囲ならいいよ」 「一つ、お前は“どちら”の味方なんだ?」 「…ボクは、アンヘル様の味方でありたかった」 「どういう意味だ」 「自分で考えなよ」 意味合い的には、結局キャメルはフリージアの味方なんだろう。 「二つ、フリージアの目的はなんだ」 「完全なる世界を創ること」 「完全なる世界?」 「悪いけど、ボクはこれ以上知らないよ」 「そうか。では最後の質問だ。…ガーディアンは、四人だけか?」 「機密事項に触れる為話すことが出来ない。質問を変えろ」 「……キャメル」 最後の質問をしたとき、NGワードに触れたのかキャメルの喋り方はまるで機械のようだった。 やはりお前たちは既に── 「哀れな」 この言葉しか、与えてやれない私を許してくれ…元同志よ。 そしてお前に私がしてやれることは、これしかない。 「安心して逝け、キャメル」 カラドボルグを振りおろそうとした瞬間、キャメルに黒い霧が覆った。 確かこれはリザの── 「……お前か」 「今、キャメルを失うことは許されないので」 「リザ、降ろしてよ…ボクは…」 「プランDに変更です。ヴィアトリクス様が予想以上に強い。それに、六課も攻 めてきた」 「ボクも行くよ」 「…少し休んでいなさい。私が部隊を引き連れ迎撃します」 「それでも」 「眠りなさい。私はもう…何も失いたくない」 「分かった。すぐに…助けに行く」 全く、追撃したいのはやまやまだが…さすがに長期戦は私もきつい。というか、 既に歩けないぐらい魔力と体力を消費している。 私はここで休憩するとしよう。ヴィアには申し訳ないが…私はお前みたいに強く ないんでな。 「…くっ、…」 せめて壁際には行きたいが…もう、意識すら危うい。 「私も…すぐに助太刀に行くからな…」 だから少しだけ、休ませてくれ── ▼ 「ティアナ! 敵はっ!?」 「分かりません! とりあえず物凄い数です!」 六課が施設に突撃してすぐ、長い長い通路には数えきれない程のガーディアンが 押し寄せていた。 「なのはさん達はヴィアさんの後を追ったから、ここはあたしたちが食い止めな いと!」 「分かってるわよスバル! いい、二人一組《ツーマンセル》でいくのよ!」 「フリードじゃさすがに狭いかな…キャロ! ボクが先攻する!」 なのは、フェイト、はやてを抜いた六課メンバーが、400年前の精鋭達相手に 奮闘していた。 ここで敗れれば、このガーディアンはなのは達を殲滅《せんめつ》しに行くだろ う。なんとしてもそれば阻止しなければならなかった。 「いくよ、マッハキャリバー」 『All.right!』 「ここはあたし達が抑えてみせる!」 ▼ とても、寂しかった。 今更…あたしはそう感じてしまっている。 もっと悲しむべきなのに、もっと後悔すべきなのに…あたしは何もかも忘れて今 まで生きてきた。 辛かったこともたくさんある。 逃げたくなったこともたくさんある。 それでも生き続けた結果が“八神はやて”という幸せだった。 大好きで、大好きで…はやてが居ないことなんて考えられないくらいだ。 でも、ヴィアの事を思いだした時…あたしが生きてきた思い出全てが反転した。 「守らなきゃ」 あたしが…全部守らなきゃ… 「───」 ここは、・・・医務室? 「起きたか、ヴィータ」 「ザフィーラ、あたしは…どうなったの?」 「ヴィアトリクスを連れ戻す途中、お前は倒れたんだ」 「あたしは…」 「…本当は連れて行くなって言われてるんだがな」 「ザフィーラ…?」 「行くのだろう? 安心しろ、シグナムや主は俺が言いくるめてやる」 「性格、悪くなったな」 「仕方ないさ…大切な、家族の為だ」 ▼ 「はぁ…、はぁ…!」 あらかた、片付いたな。 俺の周りには、血と死体が埋めつくされていた。 ざっと百人ぐらいガーディアンを倒し、先に進んでいる。 『次は、光闇《こうあん》の間です』 「…光と闇の間、か」 光闇の間とやらには、何も無かった。 ガーディアンも、ファッカも、誰も居ない。 休憩場のつもりだろうか。舐めているにも程がある。 「それにしても…」 光闇の間とは、よく言ったものだ。 この広い部屋は、丁度白い床と黒い床でくっきりと分けられていた。 「ヴィータ…」 『未練がおありで?』 「未練が無いといえば嘘になるな。ただ出来るなら、俺は──」 「ヴィア!」 「お前ら…!」 ──なんで、ここにいるんだ。 …俺のだだ漏れの魔力が仇となったか。まあリンとかも俺が残した魔力残留を追 って来たらしいし、可能と言えば可能なのか。 「色々と聞きたいことあんねん! なんで一人で行ったんや!?」 「そうだよ、どうして!」 「ヴィアさんが悩んでるのは分かるけど、その時の為の私達でしょ…?」 「………」 「なんとか、言ってよ…」 「…なあ知ってるか? ここ、光闇《こうあん》の間って言うらしい」 「それがどうしたんや」 「足下見ろよ」 「足下…?」 床は、くっきりと光と闇で分けられている。 「眩しいんだ、お前たちが」 「眩しい?」 「ああ。これ以上、俺の決意《闇》を照らさないでくれ。本当に、鈍ってしまう」 お前たちの強さが、俺を苦しめる。俺を甘やかす。だから一人で来たのに…どう してお前たちは…。 「そんなの、関係ないよヴィアさん…」 「優しいな、お前達は」 「そんなの、ヴィアだって」 「お前達は優しすぎるんだ。それが俺には、眩し過ぎる」 「…どうしても、一人で行くんか?」 「ああ。これは、俺の戦いだからな」 「なら、行ってええよ」 「はやて…!?」 「…はやて」 「でもな、これだけは約束して欲しいねん」 約束、か。 もう誰と何度約束しただろうか。そして俺は、そのいくつを守っただろう。 「もうこれ以上、誰も悲しませんといて。後…ちゃんと帰ってくることや」 「そうだね、それを約束してもらわないと…行かせられないよ」 「でも、でもヴィアが…!」 「いいんだフェイト。俺は、一人でも平気だから」 「でも…!!」 「俺は行くよ、必ず戻る」 「ヴィア…」 少しづつ、みんなの気配が遠ざかる。この先にきっと…アンヘルが居るはずだ。 覚悟は出来ている。絶対に、勝たなきゃいけない戦いなんだ。 「ヴィア!」 「…どうしたフェイト、まだ何かあるのか?」 「…えと、その…私ね、ヴィアの事好きだよ!」 「………」 「返事は帰ってきたら聞くから、絶対に帰ってきて…」 「…ああ、必ず」 だから、待っていてくれ。 全部清算して、俺は戻ってくる。…かなり驚いたけど、そういう気持ちには、ち ゃんと返事しなきゃな。 「じゃあな」 「こういう時は、行ってきますだよ、ヴィアさん」 「…ああ、行ってきます」 全く。優しんだけど厳しいな高町は。 三人に別れを告げ、光闇を抜けた先は、ただただ広がる漆黒の空があった。 第十二話 約束 Fin To Be Next...
https://w.atwiki.jp/memusimen01/pages/6.html
コードギアス 反逆のルルーシュの最新情報や動画などをみんなで集めて行きましょう!!
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/967.html
330 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 41 44 ID BCBiq9CW 第十二話『きみの散歩道・憫笑』 ひたすら歩く千歳の後ろを、イロリがてくてくとついていく。今の千歳の気分はドラクエの勇者だ。 いや、カモの親か。 どちらにせよ、後ろにいる奴が可愛くてほほえましくて仕方が無い。 「なつかしいね」 イロリが口を開いた。 「ああ、昔はお前と結構遊んだな。ここでさ」 商店街。 ある程度の活気と、ある程度の落ち着きがある街並み。 現代的ではない。ノスタルジックな光景。 昔のままだった。 「走り回って、八百屋さんに怒られたっけ」 「ジャッキーチェンの真似とかしてな。思えばあの頃は馬鹿ばっかしてたな」 「ジャッキーかっこいいし面白いしね。たぶん、男の人の中ではちーちゃんの次くらいに好き」 「なんだよ、それ」 イロリは話すと本当に面白いやつだった。これも、たぶん昔からだろう。 なぜ、忘れてしまったのだろうか。千歳は少し自分の思慮の浅さを恥じた。 いろいろあったからだろう。イロリのいない間に、いろんなことが変わった。同じじゃない。 ずっと変わらないものなんて無い。この商店街ですら、少しずつ変わっている。 しかし、イロリは変わらなかった。 「(やっぱ、俺は駄目だな)」 「どうしたの? 考え込んじゃって」 「いや、ちょっとな」 331 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 42 15 ID BCBiq9CW 「もぅ、教えてくれたっていいじゃない。イジワルー」 「いや、あんまりいいことじゃないしな」 「え、それって、私でえっちな想像してたとか……? ならばウェルカム! レッドスネークカモン! カモンナカモンナマイハウス!」 「意味わからねぇー」 大体、イロリは時代錯誤だ。なぜ東京コミックショーのネタを知っているのだと小一時間問い詰めたい。 が、あえてやめておいた。 「……ねぇ、ちーちゃん」 「ん?」 「私ね、本当に好きだったんだ」 「好き……?」 「ちーちゃんのこと」 どきん。 イロリの悪戯っぽい笑みが、千歳の胸を打った。 心臓が跳ねる。 「ここで、一緒に遊んでたときも、ずっとちーちゃんを見てた。手を繋いだとき、いつもドキドキしてたよ」 しみじみと、身体にこの街の空気を染み込ませるように、ゆっくりと、一歩一歩。 かみしめるように。ふみしめるように進みながら、イロリは夢見がちな――星みたいに綺麗な瞳で空を見ていた。 真っ黒で、宇宙みたいなのに。そんな深みの中にあるはずのない光が輝いていた。 それは、たぶん未来という名の希望。希望という名の光。 「これからは、また、一緒なんだ」 千歳の手を、優しく握る。 千歳がさっき掴んで走っていたときとは全然違う。 「ほんと、面白いやつだな。お前」 千歳もつられて微笑んだ。 ――なんで、こんなに魅力的なんだ。 昔は気付かなかった。イロリの、宝石箱のようにたくさんの輝きを秘めた瞳。 今なら、わかる。 たぶん、そう遠くない未来。 もっと近くに。 332 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 42 45 ID BCBiq9CW 「そうだ。ちーちゃん」 「ん、どうした?」 イロリは千歳の惚けを全くスルーして、話題を転換した。 昔から、不安定というか、ころころと変化の激しい奴だった。 変化の激しい点が変わってないなんて。すこし面白い。 「この商店街、ヤクザ屋さんが仕切ってたよね。今はどうしてるの?」 「ああ、そういやそうだったな。『今日からヤのつく自営業』の方々がいたな」 「怖かったねー。でも、迷子になったとき助けてもらった覚えがあるかな。意外と優しいひとだったのかもね」 「……あいつらなら、俺が……。っ!? なんか、騒がしくないか?」 あまり騒がしくないこの商店街で、怒鳴り声。珍しい。 「ヤクザ屋さんかな?」 「わからん」 「私、見てくる!」 「お、おいっ……!」 静止も聞かずにさっさと走り去ってしまった。 「ったく……こういうところも変わってないのかよ」 目を離すと、すぐいなくなった。目を離さないでも、すぐいなくなった。 まるで成長していない。 だが、それがイロリの魅力的なところなのだろう。千歳はうすうす感づいていた。 333 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 43 25 ID BCBiq9CW 「おうおう、アンタがウチらの縄張りになんのようじゃ」 「場合によっちゃ、ただじゃかえさんど」 イロリが見ると、大柄な男が二人、犬を連れた女性に詰め寄っていた。 「あら、何度も言ったじゃありませんか? 愛犬のスティーブの散歩中ですの。わたくし、ゴリラを飼う趣味はございませんので、そろそろついてくるのをおやめくださいな」 「てめぇ! 舐めとんちゃうぞ!」 女性は全く動じないで、逆に男達を挑発していた。 「この街はワシら『九音寺組』のモンじゃ! アンタら『御神グループ』にゃあ、渡すわけにはいかんのじゃい!」 『九音時組』。これはイロリもなんとなく知っていた。 さっき話していた、この街を仕切っているヤクザ。 それと、『御神グループ』。これもうっすらと記憶にある。 関東で最近急激に肥大化し始めた『財閥』。多くの企業を傘下に持ち、その力は政界にまで及ぶという。 少し前までは旧華族の末裔、ただの名家だったのだが、ある少女の登場でこの変化がもたらされたといわれている。 その名は―― 「――『御神 枢(みかみ カナメ)』! アンタの好きなようにはさせんのじゃ!」 男が懐からナイフを取り出す。 女――御神カナメは、袖で口元をかくしながら、くっくっと笑った。 その動作の一つ一つにただならぬ威圧が含まれており、男達を警戒させる。 「あらあなた、お若いのに。人を殺す『覚悟』をお持ちなのね」 「『覚悟』じゃとぉ……ワシら極道じゃ! てめぇら成り金に舐められるわけにはいかんのじゃ!」 「そう――じゃあ、お刺しなさい」 「……!?」 平然と、言い放った。 なんの恐怖も感じていないようだった。 男達は呆然と立ち尽くす。イロリも状況が理解できず、止まったままだった。 「(なんで、あのカナメって娘は……)」 男二人の前に、ただ立っているだけで。 ――制圧している。 334 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 43 57 ID BCBiq9CW 「どうなさったのかしら。『覚悟』があるのでしょう? 相手を傷つける覚悟があるなら、当然あるのですよねぇ……。『殺されてもかまわないという覚悟』。ならば、試すのが一番早いでしょう?」 「う……ぁ」 「おちつくんじゃ! 『いんてり』の口車にのんな!」 もう一人の男が、ナイフを持った男を諭す。 が、もう遅い。ナイフの男は既に走り始めていた。 「おどりゃー!! もうヤケじゃ!!!」 「(しまった……!)」 イロリの距離からは止められない。状況判断が追いついていない。 このままでは、あの女性は―― 「――俺が!」 「ぇ――?」 イロリの隣を、疾風のように駆けるもの。 「(ちーちゃん!?)」 千歳はそのまま異様な素早さ――縮地法によってカナメと男の間に割り込んだ。 「ふっ!」 呼気を入れながら、千歳は男のナイフに向かって真正面から拳を放つ。 衝撃。 次の瞬間には、男とナイフが数メートルほど吹っ飛んで倒れていた。 「……ったく」 千歳が拳を放ったほうの手をぷらぷらと振る。 普通ならナイフが刺さっていたであろうそこだが、全く怪我もなかった。 「な……なんじゃこらぁ! 御神グループのもんかい!」 もう一人の男が千歳に向かって怒鳴る。 「いや、違うけど……って、聞いてないか」 仲間を倒されて冷静さを失った男は、拳を振り上げて千歳に飛び掛かった。 335 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 44 27 ID BCBiq9CW 千歳はやれやれと首を振り、すっと身体を逸らす。最小限の動きで男の拳をいなし、すれ違った。 「がっ……!」 男がうめき、倒れる。 「(そんな……ちーちゃんの攻撃、見えなかった……)」 千歳の動きに。すれ違っただけで相手を倒していたように見えたそのスピードに、イロリは驚愕した。 イロリの知っていた頃の千歳は、決してこんな強者じゃなかった。 「ちーちゃん、大丈夫!?」 しかし今はそんな変化に戸惑うよりも、千歳が無事か心配だった。見た目では傷が無いように見えても、ナイフと正面衝突したのだ。 どこかきられているかもしれない。 「いや、大丈夫だ。……それより、あんたは、大丈夫か?」 千歳は駆け寄ってきたイロリを軽く制し、御神カナメに向き直った。 「はい、ご心配には及びません。この通り、おかげ様でどこにも怪我はございません故」 カナメは穏やかに笑い、千歳の手をとった。 「あなたに助けていただいたことは、決して忘れはしないでしょう。必ずお礼をいたします」 「ん、ああ。べつにいいんだけど」 「そういうわけにはいかないのです。わたくしのプライドが許しませんの。わたくしの名は、御神カナメと申します。どうぞカナメと及びください。……あなた様のお名前を、わたくしにお教えくださいますか?」 「カナメさん、ね。俺は、鷹野千歳。けど、俺に対する気遣いはいいから、今日は気をつけて家に帰ったほうがいい。あいつらには俺が言っておくから」 「千歳さま、ですね。……この恩は、御神の名にかけて、必ず」 カナメはすっと顔を近づける。千歳の頬に、柔らかい唇が軽く触れた。 336 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 45 30 ID BCBiq9CW 「これは、わたくしの約束の証しでございますわ。次にお会いする時は、この続きを……」 ぽっと顔を赤らめ、カナメは犬を連れてそそくさと立ち去った。 「……」 千歳は、その勢いに呆然と立ち尽くすだけだった。 ――ふと、背後から強力な怨念を感じる。 「……ちーちゃーん?」 イロリだった。 じとっとした目で千歳をにらみつける。 「なんであんな初対面の女の子にデレデレしてるの……? 私にもあんな顔してなかったのに」 「いや、別にそんなことは……!」 「してるよー! もう、私もちゅーするんだから!」 「ちょ、まっ、あっー!!!」 イロリはがばっと大胆に千歳に飛びつき、頬に吸い付いた。まるでヒルのように強烈に吸い上げる。 「痛い痛い!」 やっとふりほどく。 するとイロリがニヤニヤして千歳の頬を見ていた。 「マーキング成功だね~」 そこには、真っ赤なキスマークができていた。 337 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 46 00 ID BCBiq9CW 「ふぅ……やだわ。わたくし、なぜあんなに大胆なことを。殿方に……」 カナメははぁはぁと疲れた様子で遠くの公園のベンチに座っていた。愛犬スティーブの散歩コースだった。 「千歳様……。素敵なかた……」 バッグから、さっき隙を見て拾ってきた、ヤクザのナイフを取り出す。 ひしゃげてもう使い物にならないだろう。 「素手でこのナイフをこんなに……。お強いんですのね……」 思い出すと、また顔が赤くなる。 「鷹野、千歳様……。弱きを助け、強きをくじく。あのお方こそ、わたくしの『運命の人』ですのね」 ぱちんと、指を鳴らす。 数秒で黒服の男がどこからともなくあらわれ、カナメにひれ伏した。 「高崎。あのお方の情報を、できるだけ詳細まであつめてくださる?」 「三日ほどかかりますが」 「頼みましたわ。……できることなら、すぐがいいのですが、我が侭は今は無しにします」 「承知」 そして次の一瞬で高崎と呼ばれる黒服の姿が消失した。 まるで忍者のような身のこなしだった。 「スティーブ、あなたもそう思うでしょう? 千歳様と、わたくしの間の、赤い糸。見えるでしょう?」 スティーブのくびすじを撫でる。気持ちよさげにふんと息を吐いた。 「千歳様……わたくしの唇の代金は、高いのですよ……?」 空に向かって、誰にも伝わらない声を飛ばしていた。 周囲の人物は、そんな怪しい少女に声をかけないように避けた。 338 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 46 31 ID BCBiq9CW 「(なんだあいつ、休日だというのに騒がしいな……)」 金髪の少女も、その一人だった。 「(いや、なんだ、この違和感は……あの女、微弱だが……ワイヤード反応がある?)」 ほんの少し。おそらく、今生まれたばかり。 しかし、確実に息づいている。 この近くにコントラクターがいる証拠だ。 「(つかまえたぞコントラクター。もう少しだ。……まずは、あの女に聞き込みを)」 犬を連れた少女、カナメに目を再び向ける。 と、そのベンチには既にその姿は無かった。 「しまった……。ついはしゃいで、目を離してしまった」 若干の自己嫌悪。そして行動。 「だが、近いということは分かったんだ。この脚で、今から探せば……!」 金髪の少女が、ばっと走り出……せなかった。 どてっと倒れ、地面をのたうちまわった。 「くそっ、急に走り出したら腹が……! 腹が減って……」 「ねぇお母さん、あの人ー」 「見ちゃ駄目よ!」 親子が公園から走り去る。 「くそっ、この街の住人は飢えたものに食べ物を恵むという心遣いもないのか……! なんたる……!」 ぐぎゅううう。腹からマヌケな音が漏れた。 「だめだ……怒ったら腹が減る……。もう、だめ……。不覚」 ばたりと倒れ、意識を失った。 339 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 47 02 ID BCBiq9CW 「ちーちゃん、どうするの? ヤクザ屋さん、放って行くの……?」 「いや、そろそろ来るはずなんだが」 「え、誰が……?」 「おーい!」 イロリが言ったと同時に、遠くから男の声。 見ると、スキンヘッドのいかにも悪そうな男が手を振って走ってきていた。 「千歳さん! 今日はウチの馬鹿どもがご迷惑を!」 男は千歳の前まで来ると、即座に頭を下げ、謝罪した。 「いや、いいよ。それより、なんであんたらは御神グプールに突っかかったんだ? それが気になる」 男は倒れている二人の部下をたたき起こしながら答える。 「へい、実は、オレ達『九音寺組』の組長『九音寺 轟三郎(くおんじ ごうさぶろう)』親分が、重いご病気でして、その隙を狙って奴らがこの地域の支配権を狙って圧力を……」 「……なるほどな」 「あの御神の小娘、オレ達を挑発してるんすよ……親分さえ、親分さえいれば、舐められることもないのに」 「けどな。今回は軽率すぎだぞ。力で負けてんだから、お前らこそ冷静になれ。挑発にいちいちかかってんじゃねえ」 「へい、こいつらにはよく言い聞かせます」 「ああ。……危なかったぞ。あのカナメさんって人は、結構抜け目ない。見えないところに銃を持った男を数人配置していた。たぶん、俺が入っていかなかったらその二人は射殺されていたな」 「……すまねぇと思います。千歳さんは俺らの組の人間を何人ももう助けてくださって。……千歳さんがいたら百人力なんですが」 「いや、俺は……。百歌が怒るから、そういう職業は……」 「ははっ! 冗談でさぁ! ですが、ウチの『久遠(くおん)姐さん』は千歳さんのこと諦めてないみたいですぜ! また会いに来てやってください!」 「久遠が……。まあ、ヒマがあれば、そのうち」 「へい! では、オレらはここらで失礼します!」 スキンヘッドの男は二人の部下を引きずりながら、にこやかに去っていった。すさまじい腕力である。 今日からヤのつく自由業とは思えないさわやかさと優しさだった。 340 :ワイヤード 十二話 前 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 47 46 ID BCBiq9CW 「……いっちゃったね」 「ああ」 「私、私が居ない間のちーちゃんの経歴がすごく気になってきたよ……まさかヤクザ屋さんに敬われる立場だなんて」 「いや、あいつらの組長の娘を助けたことがあるだけだから」 「それって、さっき言ってた久遠っていう人?」 「ああ」 「……さっきの人の口ぶりからすると、その久遠っていう人もちーちゃんのこと好きみたいじゃん」 口を尖らせて問い詰めるイロリ。 ちょっと可愛いなと思いつつも、千歳はがんばってごまかそうと努力する。 「いや、そういうのじゃないって。……会ってみればわかる。っていうか、たぶんそう遠くない日に会うことになるから。久遠とは、さ」 「……ちーちゃん、モテすぎだよぅ。ライバルが多い」 イロリはぶつくさと文句を言いながら、先に進んだ。 「まあ、いいや。今日はどこかに連れて行ってくれるんでしょ? 早く行こうよ!」 「ああ。行くか」 376 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 09 37 ID aOh43Lz2 「おーす」 「千歳!? 遅いじゃんかよ!」 扉を開けると、即座に駆け寄ってくる、胴着をきた少女。 「すまんすまん。ちょっと面倒があって」 「メールも返さないし……」 「ボックス一杯のメールだともはや逆に返しづらくなるだろ」 「……心配したんだぞ……。罰として今日はいつもよりも稽古を延長するからな」 「マジすか? ……まあお詫びに、懐かしい顔を見せてやるよ。イロリー! そろそろ入っていいぞ!」 「イロリ? ……まさか」 遅れて入ってくるイロリ。胴着の少女と目が合う。 「……いっ……ちゃん……?」 胴着の少女はその名前をしっかりと記憶していた。 対して、イロリはすぐには思い出せなかった。が、その声がなんとなく記憶に残っており、最終的には答えにたどり着く。 「もしかして、りっちゃん?」 「そうだよ! なつかしい、帰ってきたんだね!」 りっちゃんと呼ばれた胴着の少女は、すばやくイロリにかけより、抱きついた。 イロリよりも大きいかもしれないその胸が押し付けられ、若干戸惑う。 「そっか。ちーちゃんが私に会わせたい人って、りっちゃんだったんだ……」 『蒼天院 理科子(そうてんいん リカコ)』。幼稚園の時の友達だった。 少し遠くにすんでいたため校区が違い、学校が同じになったことはないが、千歳とは同じ道場で修業する間柄であり、縁は深い。 そのため、幼稚園時代にいつも千歳にくっついていたイロリも何度も会っていた。 この古武術流派『蒼天院流』の後継ぎであり、蒼天院流の一派『蒼天院炎雷拳』の師範代でもある。 「って、再会の喜びに浸る前に、千歳! 門下生待たせてるんだから、早く『清水拳』教えてよ! ほら胴着!」 指をさした先に、丁寧に折り畳まれた胴着と黒帯が置いてあった。 イロリが視線を移すと、道場の奥に門下生達が座っている。 イロリたちよりも小さな少年少女がおもであり、大人は全くいない。今は思い思い遊んでいる。 377 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 10 08 ID aOh43Lz2 「わかったよ、ったく……」 「文句言わない。『清水拳』はあたしの『炎雷拳』よりも人気なんだ。真面目に教えないとぶん殴るからな!」 「物騒な奴」 面倒くさがりながらも千歳は胴着を拾い上げ、奥の部屋に着替えに入った。 「さて、いっちゃん。あたしらは昔話にでも花を咲かせようか。せっかく再会したんだしね」 「うん。ちーちゃんのお稽古も見てみたいしね」 「……」 「どうしたの?」 「いや、いっちゃん、相変わらず千歳のこと好きなんだなって思って」 「……わかる?」 顔を赤くしてもじもじと照れ始めるイロリ。 それを見て、理科子はイロリが記憶の中にある人物と全く相違点がないことを悟った。 そして、くすっと苦笑いを漏らした。 378 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 10 39 ID aOh43Lz2 「そっかぁ……。道場とかそういうのはあんまり良く覚えてなかったけど、ちーちゃんはここでずっと修行してたんだっけ」 「幼稚園の頃は、あんまり真面目にやってなかったからな。……いつからかな、千歳が強くなったのは」 「私がいた時は、ちーちゃんはあんまり腕っ節のあるタイプじゃなかったからね……」 道場の隅に座りながら、イロリと理科子は互いの記憶を確かめ合っていた。 大抵はイロリがいなかった間の千歳についての質問になっている。 「確かに、昔はそうだった。たぶん、いっちゃんがどこかにいってしまってからかな。千歳が真面目に修行し始めたのは」 「私が……?」 「正確にはわかんないけど、千歳にとってはひとつの変化のきっかけだったんだと思う。……そして、千歳が今みたいに異常に強くなって、『蒼天院清水拳』の師範代になったのは……たぶん『ナギ』って娘と出会ってから」 「え……」 ――ナギ……ちゃん? ナギとの出会いの話は聞いていた。確かに、あの時ナギを護るために不良少年達を一人で倒したと聞いている。あの時はすでにイロリがいなくなってしばらくしていたから、修行の成果は出ていただろう。 しかし、顔に傷がついていたと言っていた。つまり、今の強さじゃない。もう少し弱かった時期だ。 今は――。イロリは千歳が少年達に稽古をつける姿を見る。 今は、もう別次元の存在。恐らく何人の屈強な男がかかってきても傷ひとつつくことのないであろう、別格の拳士。 379 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 11 09 ID aOh43Lz2 少年達の攻撃を受けている千歳だが、全く危なげな様子はない。 この変化は――ナギがもたらしたというのだろうか。 「さて、いっちゃんも道場にきたんだから、稽古体験していきなよ」 ぱんぱんと腰についたほこりを払い、理科子がたちあがった。 「え……?」 「最近門下生が少なくてさ。ちょっとした、デモンストレーション。いっちゃんも、蒼天院流の強さを見たら、入門したくなるよ」 「もしかして、ちーちゃんと戦うところを見せてくれるの……?」 「うん。そのつもり。あたしと互角に戦える人はあんまりいないからね、千歳が来た時は、門下生に清水拳を教えるのとあたしと組み手するのがメインイベントになってるんだ」 「……その勝負、ちょっとまって」 「へ……?」 380 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 11 40 ID aOh43Lz2 「あのなぁ、イロリ」 「ん、どうしたのちーちゃん?」 「無茶だと思うぞ、いきなり理科子と組み手なんて」 イロリは胴着を着てふんふんと息を荒く、士気をあげていた。 「無茶でもいいよ。……私、ちーちゃんに追いつくために、蒼天院流を知らないといけないと思ったから」 「だから戦ってみるのが一番早いってか?」 「うん!」 「……ったく。怪我すんな」 そう言って、千歳はイロリを送り出し、好奇の目で見物している門下生達の隣に座った。 「ねぇ、ちとせおにーちゃん!」 門下生の中でも特に千歳に懐いている少女『ここあ』が千歳に目を輝かせながら話かけてきた。 「ん、なんだ?」 「あのイロリっていう綺麗なおねーちゃん、ちとせおにーちゃんの彼女さん?」 「ばっ……! ちげーよ。アイツは俺と理科子の昔の親友だ。最近この街に帰ってきたんだ」 「ふーん。そうなんだー。でも、イロリおねーちゃん、ちとせおにーちゃんのこと好きみたいだよー」 ここあはニコニコと無邪気な顔をしながらも、真実を敏感に感じ取っていた。 「リカコおねーちゃんのライバルだねー」 「ライバルって、理科子は別に俺が好きなわけじゃねーだろ。ここあ、お前少女漫画読みすぎじゃねーの?」 「えー、本当だってばー。乙女の勘ってやつだよー」 ここあはぶーぶーと口をとんがらせて文句をぶつくさとぶつけた。 「馬鹿言ってないで、組み手の見物でもしてろ。ほら、始まるぞ」 イロリと理科子が互いにお辞儀をして、構えた。 理科子は『蒼天院流炎雷拳』の構え。拳を片方前に突き出し、もう片方を後ろに深くためる。攻撃型の構え。 対して、イロリは適当な構え。格闘技に関しては素人であろうことは傍から見ても分かった。 381 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 12 10 ID aOh43Lz2 「うわー、イロリおねえちゃん本当に素人だねー。あれじゃリカコおねえちゃんには三秒持たないよ」 ここあは素直な感想を口にする。 その推論は恐らく正しい。イロリが技術に見合った強さの人間ならば、だ。 しかし、イロリは違う。 「ここあ、本当にお前はそう思うか?」 「え……うん。確実だと思うけど」 「じゃあ、お前の未熟を悔やむんだな」 「え……?」 ここあが見ると、イロリの姿が消えていた。 「嘘、縮地法……? なんで……?」 「ここあ、よく見てろ。世の中精神だけで『上』に上り詰める人間がいるってことをな」 ――長く生きてれば生きてるほど、そういう『絶対に勝てない奴』の存在に気付く。人生はそういうもんだ。 「縮地法か……。あたしと戦うとか言った時はあいかわらず無茶ばっかりすると思ったけど、存外ただの無謀でもないみたいだね!」 理科子は嬉しそうにいいながら、消失したはずのイロリを『目で追っていた』。 「でも――見えてる!」 「!?」 『何も無い空間』を理科子が蹴り飛ばした。すると、イロリが突如出現してその蹴りにあたり、吹っ飛んだ。 「いったぁ~。りっちゃん、手加減ないなぁ……」 イロリは吹っ飛んだ状態から受け身を取り、一瞬で体勢を立て直す。 「でも、今のはほんの小手調べ! 次は当てるから!」 イロリはまったくダメージがないとでも言うように再び構えた。 「へぇ、あたしの蹴りを受けてそんなにピンピンしてるんだ」 「うん。大体予測できてたから」 「なるほど。こりゃ、本気で行かないといけないかもね」 382 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 12 40 ID aOh43Lz2 理科子が先に動いた。縮地法による一瞬の移動からの拳打。 それを寸前で受け止めるイロリ。そこに理科子の膝蹴りが叩き込まれる。 「(――死角!?)」 すんでのところで身体を後ろに逸らして寸前で頭への直撃を避ける。 「やるね!」 理科子はそのまま振り上げた脚を振り下ろした。 「っ!」 ――予測しやすい攻撃! 完全に見切っていたイロリは、その場で両足を振り上げて、理科子の脚を絡み取り、そのまま回転して理科子を浮かせた。 「らいだーきっく!」 イロリはさらに両手を床につけ、逆さに立ったまま浮いた理科子の脚をさらい、体勢を崩してそのままカポエラのようにからだを回転させながらガードの開いた胴体を蹴り飛ばした。 「うぐっ!」 予想外に強力なその蹴りに、理科子が数メートル吹っ飛び、受け身も取れずに床に叩きつけられた。 イロリはさらにジャンプして理科子に追いすがり、追撃を試みる。 「はーとふる……」 「(……まずい!)」 「ぱーんち!!」 ごっ! 鈍い音とともに、道場全体が揺れた。決して立て付けの悪い建物ではない。 イロリのパンチの威力が並外れていた。 「……くっ」 「(……受け止めた!?)」 理科子はギリギリのところでイロリの拳を掴み、直撃を避けていた。 しかし衝撃はしっかりと伝わっており、下側で受け止めた理科子の背中は道場の床にめり込んでいる。 383 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 13 11 ID aOh43Lz2 「まだっ!」 理科子はイロリの腕を掴んで固定したまま、両足でイロリの腹を蹴った。 イロリは後ずさりし、理科子はその隙に立ち上がる。再び、構えたままのにらみ合いとなった。 「……すごい」 ここあは目の前の光景が全く信じられなかった。 いくら修業して、技術をつけても指一本触れられない理科子に、ぽっとでの素人がダメージを与え、なおかつ互角。 「これが、イロリの力ってやつだな」 「もしかして、リカコおねぇちゃん負けちゃうの……?」 「いや、それもないだろ。まあ所詮精神だけじゃどうにもならん壁もある。理科子はそういうやつだ。そろそろ本気だすだろ」 その千歳の言葉通りに、理科子の構えが『変わった』。 「(なに、これ……りっちゃん、さっきとは全然違う)」 見た目上は、さっきと全く同じ、攻撃型の構え。しかし、その本質は全く違う。 その圧倒的な『武力』が、イロリにもはっきり感じられた。これこそが、本物の『蒼天院流』。 さっきまでのは、所詮は素人と戦う程度の型しか使っていなかったということだ。 殆ど相手と同じ状況で戦っていた。 しかし、これからは違う。 オーラとも呼ぶべき、圧倒的な『闘気』が理科子を包んでいた。 「――っ!?」 イロリがその威圧感に気を取られている隙に、理科子は全く見えない速度で間合いまで踏み込んで来ていた。 「すごい! リカコおねえちゃんの縮地法が速く……!」 「いや、ありゃ縮地法じゃねえぞ、ここあ」 「え……?」 「ただ、一歩歩いただけだ」 384 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 13 41 ID aOh43Lz2 理科子の猛攻は続いていた。 さっきまでとは違う、圧倒的なスピードとパワー。 『炎のように激しく、雷のように鋭く』。そんなコンセプトの『炎雷拳』の真髄。 ガトリング砲のような猛烈な打撃の嵐。 イロリは完全に防戦に回っていた。 「くっ……!」 「結構身持ちが硬いね、いっちゃん! しかし……!」 理科子の闘気が膨れ上がる。 「蒼天院流『虎王牙煉牙拳(こおうがれんがけん)』!」 牙のようにくらいつき、ガードを無理矢理こじ開ける。 イロリが無防備になった。 「とどめっ! 蒼天院炎雷拳奥義! 天翔……!!」 「やべぇ!」 千歳がすかさず走り出した。 「神雷……!」 「(……死!?)」 理科子の拳が迫る。イロリはスローモーションのようにそれを見ていた。 見ている事しかできなかった。その拳のあまりのスピードとパワーに、身体はついていかない。 ただ、反応することで限界だった。 その拳から発せられている闘気は、今まで感じていた理科子の身体の中の力全てを凝縮したものだろう。 これがクリーンヒットすれば、人体など次の瞬間には肉片だ。 悲しいことに,引き伸ばされた時間のなかでイロリはそこまでわかってしまった。 「(ちーちゃん、私、まけちゃった……。ごめん……)」 そして、目を閉じた―― 「イロリ!」 道場が再び揺れた。 385 :ワイヤード 第十二話 後 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/27(月) 00 14 12 ID aOh43Lz2 その大きすぎる衝撃に、その場にいた誰もがたじろぐ。 「……千歳、どうして」 「理科子、お前なぁ……」 理科子の拳を、寸前で割り込んだ千歳が受け止めていた。手のひらから血が流れている。 ナイフの時とは違う。無傷で済むような攻撃じゃなかった。 「また勝負に熱くなっちまっただろ。イロリを殺すとこだったぞ……」 「え……そんな。そうだったのか……イロリ、ごめん」 理科子は悲しげに下を向く。 「いや、それはいいけど」 ――実際死ななかったし。 「それより、ちーちゃん!」 「ん、なん……っておい!」 イロリがいきなり千歳に抱きついた。 「愛する私を助けるために……! ちーちゃんは宇宙一カッコイイよ!」 「馬鹿、大げさだ! ってか、離れろ!」 無理矢理引き剥がし、一息つく。 「とにかく、だ。理科子、お前が誰に対しても本気出す癖はよーく分かった。だからな、俺が相手してやるよ」 「千歳……」 「言っておくが、イロリを殺そうとした『オシオキ』だからな、本気でやらせてもらう」 「そんな~」 千歳の強さをよく知っている理科子は、本気でいやそうに文句を言った。 千歳は聞く耳を持たない。 「とにかく、イロリ」 「なに? ちーちゃん」 「よく見てろ。俺の闘いを。たぶん、お前なら分かるはずだ」 「ちーちゃん……?」 「未来を掴みたいんだろ。なら、こんなとこで理科子に負けてるんじゃ話にならないからな」 「……うん!」
https://w.atwiki.jp/owgco/pages/96.html
このアニメの閲覧者は - 名です。 メニューページで#nomenu()プラグインはご利用できません。3カラムでなく、2カラムのデザインテンプレートをご利用ください。 第1話 魔神 が 生まれた 日 第2話 覚醒 の 白き 騎士 第3話 偽り の クラス メイト 第4話 その名 は ゼロ 第5話 皇女 と 魔女 第6話 奪われた 仮面 第7話 コーネリア を 撃て 第8話 黒 の 騎士団 第8.5話 仮面 の 軌跡 (総集編1) 第9話 リフレイン 第10話 紅蓮 舞う コードギアス 反逆のルルーシュ 2
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2239.html
423 :ウェハース十二話 ◆Nwuh.X9sWk:2011/05/14(土) 02 01 01 ID jAUgBx.o 陰性。 少し残念に感じる結果だった。 残念に……、思った。 子供さえ出来てしまえば彼を独占出来ると思ったから? 彼が私だけを心の中に置いてくれると思ったから? なぜ私はこんなにも彼に執着するのだろう。 愛されたかったから? 誰からも愛される彼に特別愛されることで何かから開放されたがっているの? 彼は不思議な人だった。 ふくよかな体型と同じで角のない性格で、表情豊かで、とても臆病で。 あの顔。 私にしか見せたことないんだよね。 撮ったビデオを見るたびに、薄気味悪く笑っている自分に気が付く。 両親がいないときに暗い部屋で、私にだけ染まっていく真治を見るたびに。 快感だった。今までに深く何かに執着したことの無かった私はそれまでの『ツケ』を清算するように彼にのめり込んで行った。 彼の体を調べるように舌を這わせ、彼の脳を支配するように聴かせ、彼に私を浸透させた。 夢中だった。 文字通り夢の中でも彼と出会った。 真治は私だけのものだ。 何度もそう言い聞かせて、信じた。 私はまたビデオを見ている。 母さんが下の階で寝ているのに、ビデオを見ている。 前までは我慢できたけど、今は駄目だ。 一日おきに見ないと、何かが崩れてしまう気がする。 彼の恥ずかしい顔を、彼の諦観の瞳を、脳に焼き付けるように、そっと指で画面に触れてみる。 静電気みたいなものが指と画面の間に走る。 きっと愛の稲妻だ。 チリチリと、稲妻が毛を逆立てるような感覚に酔いながら、画面の中の彼に意識を集中していく。 私は彼が好きだ。 彼がやれと言うのなら、人を殺せる。 二言は無い。 424 :ウェハース十二話 ◆Nwuh.X9sWk:2011/05/14(土) 02 01 38 ID jAUgBx.o 彼には家族がいる。 理解のある両親に、可愛い兄妹。 でも正直に言って私は彼女たちにあまり興味はない。 ただ仲良くしておいた方が彼との距離を縮めるの便利だと思ったからそうしているだけだ。 それ以上の価値は見出せない。 家族になりたい。 彼と切れない繋がりが欲しい。 彼と彼の家族を見ていて、彼の隣を歩くほどそう思った。 切れないものとは、何か? 恋人? 親友? 恩人? そうだ、血縁関係だ。 この世でもっとも固いもの。 得難いモノ。 子供だ。 だから迫った。 彼が薄情なことを言うから。 こんなにも愛しているのに、こんなにも欲しているのに。 そのときに脳裏によぎったのは、ビデオを見ているときの私。 「真治の弱みは握ってるんだから、やってしまえ」 薄気味の悪い笑みを浮かべながら、私は私の背中を押した。 意味がなくとも人は生きていけると言う。 意味がなくても人は生きなければならないと言う。 きっと彼じゃなくてもいいと人は言う。 思いだけでも、体の繋がりだけでも、それを本質的な部分で体感できなければ意味が無いのと同じように。 彼じゃないといけない理由は私には分からない。 でも、意味が無くとも生きていかなければならないとすれば、存在しなければならないとするなら、私は彼の傍にいるということを条件に生きたい。 生きてゆきたい それは願いであり、思いでもあって、私自身の体感の経験から導き出された言葉だから。 無意味だからこそ、生き方も愛し方も自由なのだ。 425 :ウェハース十二話 ◆Nwuh.X9sWk:2011/05/14(土) 02 02 06 ID jAUgBx.o 「あなた、邪魔なの」 ついに私は、私の本性をさらけ出した。 相手は真治ではない。 真治の最も仲の良い友人、平沢だ。 「なんだよ、いきなり」 「だから言った通りよ、あなた邪魔なの」 平沢君はやれやれといった様子で、ため息を吐いて私の眼を見た。 こいつ、嫌いだ。 その感情だけを向ける。 「あのさ、藤松。 あんまりそういうこと俺に言わない方がいいぜ? 真治のこと好きなのは分かったけどさ、俺に殺気立っても仕方ないだろ」 「あなたがいるから真治が私だけに集中してくれないの、言ってること分かる?」 いいや。 平沢はそう言って首を横に振る。 「第一、アイツがお前のことを本当に好きで、藤松さんと惹かれあっているのなら藤松さんは俺の事なんて気にならないハズだ」 「いちいち都合良く講釈を垂れるのはやめてくれる?」 私の一言に平沢はムッとする。 「取り付く島も無いな、聞くけど話をしに来たんだよね?」 「ううん、お願いしに来たの」 素直な私の感想に平沢は面食らったみたいで、一瞬驚いてから、すぐに立て直した。 お願いしに来たのは本当のことだ。 懇願とは少し違うけど命令しに来た訳でもない。 だからお願いをしにきたと言うのが一番ベターで、私の心情を反映している答えだと思った。 「うーん、でもそれってさ命令になるんじゃないの?」 「私の言った意味はそういうのじゃないんだけど、平沢君の捕り方次第になるのは仕方ないよね。 それが会話だし」 「……藤松の喋り方、普段のアイツに似てきたな」 普段の……、それに腹が立った。 まるで私よりも彼を知っているような言い様にだ。 「そういうの、今聞いてないから」 「ふー、分かった。 アイツと喋ってから考えてもいいか?」 「いいよ」 またもや平沢が驚いたような顔をする。 今度は露骨にだ。 「いいのか? アイツに喋るかもしれないんだぞ?」 「別にかまわないけど。 私からも真治にお願いしようと思ってたし、いいよ」 平沢は眉間に皺を寄せて私をジッと見据える。 言葉のサーシャを見抜こうとしているのだろうか? 大丈夫なのに、裏なんて無い。 本当の気持ちなんだから裏があるわけが無い。 「分かった、もう行っていいか?」 面白味も無い話だから仕方ないけど、平沢君は話す前よりも不機嫌になって帰っていった。 426 :ウェハース十二話 ◆Nwuh.X9sWk:2011/05/14(土) 02 03 02 ID jAUgBx.o 『今電話イイ?』 検査のために使った道具を丁寧に包装して捨ててから、真治にメールを送った。 一応心配しているだろうから、その日の内に伝えておこうと思った。 『いいよ』 五分も経たない内に返信が来た。 すぐに電話帳の機能を選択して彼に電話をかける。 「もしもし」 布が擦れる音と、彼の受話器を通したときの声が聞こえる。 それだけで少し心が上気するのが分かる。 「妊娠の検査、簡易だけどしてみたよ」 「どう……だった?」 緊張感が伝播してきた。 嘘を吐いてもいいかな、そんな考えが脳裏をよぎった。 でも……、駄目だ。 この人には嘘吐いちゃ、駄目だ。 なんとか踏ん張って、努めて明るく言った。 「陰性だった」 出来なかった、とは言わなかった。 残念がっている事を彼に悟られないようにした。 彼と話すとき、言葉を交わすとき、私は少し緊張している。 どう答えれば彼に良く思われるかずっと考えている。 「そう……」 「ねぇ」 でも。 「なに?」 今はそれを忘れてみようと思う。 体感したくなった、と言い換えてもいい。 「どう思った? 出来なかったって聞いて」 「……」 受話器の向こうの沈黙がひたすらに辛かった。 まるで鋸の歯を優しくあてがう様なキリキリとした痛みが心を消耗させていく。 「……、気にしないから正直に言っていいよ」 「……良かった、と思う」 悲しくなかったと言えば嘘になる。 やっぱり、嫌だったんだな。 「小町は、どう?」 「私は……」 「少し……、残念だったかな」 また、緊張し始めたのが分かった。 嫌われたかもしれない。 なんで彼の言うことに同意しなかったんだろう。 そのことをすぐに後悔した。 427 :ウェハース十二話 ◆Nwuh.X9sWk:2011/05/14(土) 02 03 34 ID jAUgBx.o 「小町……」 語尾が妙に暗く聞こえた。 悲しんでいるのだろうか。 「ごめん、気にしないで」 __それからの会話はあまり覚えていない。 ずっと緊張していて、さっきの自分の返答ばかりに気がいってしまって集中できていなかった。 「じゃあ、明日また同じ時間に向かいに行くから」 「うん、穂波も待ってる」 真治と約束をとりつけるのが精一杯だった。 電話を切って、すぐに部屋に戻った。 ベッドの下から真治を隠し撮りした写真ばかりを集めたアルバムを引っ張り出してキツく抱き締めた。 無性に怖かった。 自分のミスから真治を失うのが、あの瞬間に容易に想像できてしまった。 おぞましいビジョン。 それを垣間見た。 「そんなことあっちゃいけない」 リモコンでデッキを起動させて、真治と私の情事を再生する。 「真治が私から離れていったら……、私、アタシ……」 消音と表示されていた文字が消えたのに妙に驚いた。 それほど動揺しているのが分かる。 「そうだよ、真治が私を嫌いになるワケないよ、だって、私たちは惹かれあってるんだから」 落ち着かせるように反芻していた呪文に嗚咽が混じったのはそんなに遅くなかった。 「そうだよ、アタシには“コレが”あるんだ」 画面が一瞬フェードアウトして画面が暗転した瞬間に自分の顔が写った。 薄気味悪く笑っている私だ。 『真治は私と別れられない、別れさせてあげない』 彼を振り向かせるのにどれだけ苦労したんだ、どれだけのモノを捧げて今があると思っているんだ。 絶対手放さない。 だから今よりもずっと、彼に従順に生きなければならない。 「愛してるよ、小町」 真治の声を出来るだけ思い出しながら言葉の型に当てはめて、ひたすら脳内で再生する。 ただ、あのビジョンをかき消すように、ただひたすら。
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/353.html
コードギアス 反逆のルルーシュ 作品情報 公式HP http //www.geass.jp/first/index.html 9枚 ルルーシュ01 ルルーシュ02 C.C. カレン カレン(1280×960) 篠崎咲世子 コーネリア ヴィレッタ ジェレミア
https://w.atwiki.jp/k2727324602/pages/1055.html
<no image...> 「人々よ!我らを恐れ、求めるがいい。我らの名は、黒の騎士団! 我々黒の騎士団は、武器を持たない全ての者の味方である。 イレブンだろうと、ブリタニア人であろうと。 日本解放戦線は、卑劣にもブリタニアの民間人を人質にとり、無惨に殺害した。無意味な行為だ。故に、我々が制裁を下した。 クロヴィス前総督も同じだ。武器を持たぬイレブンの虐殺を命じた。このような残虐行為を見過ごすわけにはいかない。故に制裁を加えたのだ。 私は戦いを否定しない。しかし、強い者が弱い者を一方的に殺すことは、断じて許さない!撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ!! 我々は、力ある者が力なき者を襲う時、再び現れるだろう。たとえその敵が、どれだけ大きな力を持っているとしても。 力ある者よ、我を恐れよ!力なき者よ、我を求めよ!世界は、我々黒の騎士団が、裁く!!」 (ゼロ/TVアニメ・第8話) <リンク集> 位置づけとしては「教科書・参考書」。 コードギアス 反逆のルルーシュ 公式サイト:http //www.geass.jp/first/index.html Wikipediaコードギアス 反逆のルルーシュ コードギアスシリーズの登場人物 コードギアスシリーズの機動兵器一覧 <作品概要> <◆基本情報> 本ページの対象作品コードギアス 反逆のルルーシュ(TVアニメ第1期) <◆主要人物> TVアニメ第1期 ルルーシュとその周辺人物ルルーシュ一家ルルーシュ・ランペルージ / ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア / 魔神ゼロ(声:福山潤 / 大原さやか[少年]):主人公。 C.C.[シーツー](声:ゆかな) ナナリー・ランペルージ / ナナリー・ヴィ・ブリタニア(声:名塚佳織):(恐らく)ヒロイン。 篠崎咲世子(声:新井里美) アッシュフォード学園生徒会枢木スザク(声:櫻井孝宏 / 渡辺明乃[少年]):裏主人公。ルルーシュの幼いころの親友。学園転入後、生徒会に入会。 ミレイ・アッシュフォード(声:大原さやか):生徒会会長。 シャーリー・フェネット(声:折笠富美子):生徒会所属・水泳部兼部。秘かにルルに想いを寄せるが… リヴァル・カルデモンド(声:杉山紀彰) ニーナ・アインシュタイン(声:千葉紗子) アーサー(声:-):生徒会に出入りする黒猫。 黒の騎士団旧扇グループ紅月カレン / カレン・シュタットフェルト(声:小清水亜美) 扇要(声:真殿光昭):リーダー。 玉城真一郎(声:田中一成) 南佳高(声:加瀬康之) 杉山賢人(声:杉山紀彰) 井上直美(声:井上喜久子、小清水亜美) 吉田透(声:蓮池龍三) 藤堂一派藤堂鏡志朗(声:高田裕司):通称「奇跡の藤堂」 千葉凪沙(声:千葉紗子):藤堂の部下・「四聖剣」の1人。 朝比奈省悟(声:私市淳):同上。 仙波崚河(声:島香裕):同上。 卜部巧雪(声:二又一成):同上。 日本人以外の参加者ディートハルト・リート(声:中田譲治):情報渉外全般担当。 ラクシャータ・チャウラー(声:倉田雅世):技術担当。 キョウト六家皇神楽耶(声:かないみか):当主。 桐原泰三(声:辻親八):桐原産業創設者。ルルーシュの過去を知る。 神聖ブリタニア帝国皇族シャルル・ジ・ブリタニア(声:若本規夫):神聖ブリタニア帝国第98代皇帝。 シュナイゼル・エル・ブリタニア(声:井上倫宏):第2皇子。 コーネリア・リ・ブリタニア(声:皆川純子):第2皇女。 ユーフェミア・リ・ブリタニア(声:南央美):第3皇女。 クロヴィス・ラ・ブリタニア(声:飛田展男):第3皇子。 オデュッセウス・ウ・ブリタニア(声:山野井仁):第1皇子。 エリア11のブリタニア軍人/役人ジェレミア・ゴットバルト(声:成田剣):辺境伯。ある事件から通称「オレンジ」との蔑称を受ける。 ヴィレッタ・ヌゥ / 千草(声:渡辺明乃): キューエル・ソレイシィ(声:加瀬康之): アンドレアス・ダールトン(声:梁田清之):コーネリアの忠臣1。 ギルバート・G・P・ギルフォード(声:幸野善之):コーネリアの忠臣2。 バトレー・アスプリウス(声:宝亀克寿):禿頭の将軍。後にシュナイゼルの配下となる。 ジョセフ・フェネット(声:成田剣):シャーリーの父。 「特派」(特別派遣嚮導技術部)ロイド・アスプルンド(声:白鳥哲) セシル・クルーミー(声:井上喜久子) その他旧日本軍草壁徐水(声:天田益男):7話、元中佐。日本解放戦線メンバー。 片瀬帯刀(声:小山武宏):10話、元少将。日本解放戦線リーダー。 澤崎敦(声:稲葉実):20話、元官房長官。 中華連邦曹[ツァオ](声:田口昂):20話。澤崎を担いでフクオカ基地を攻撃。 ギアス関係者マオ(声:草尾毅) V.V.(声:冨澤風斗) (故人)枢木ゲンブ(声:-):元日本総理、スザクの父。故人。 マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア(声:-):神聖ブリタニア帝国皇妃、ルルーシュとナナリーの母。故人。 <◆使用楽曲> <TVアニメ第1期> OPテーマ(1):COLORS / FLOW [1-12話] OPテーマ(2):解読不能 / ジン [13-23話] EDテーマ(1):勇侠青春謳 / ALI PROJECT [1-12話] EDテーマ(2):モザイクカケラ / SunSet Swish [13-23話] 劇中歌・挿入歌Stories / Hitomi [5・13・25話] Masquerade / Hitomi [14話] Alone / Hitomi [21話] Innocent Days / Hitomi [22・23話] ビカレスク / 酒井ミキオ [17話] Callin / 酒井ミキオ [20話] <◆シナリオ> イベント時系列表コードギアス 反逆のルルーシュ イベント時系列表(まとめ中)作品全体において重要な出来事を抜粋。ネタバレ注意。 TVアニメ第1期第1話 魔神 が 生まれた 日 第2話 覚醒 の 白き 騎士 第3話 偽り の クラス メイト 第4話 その 名 は ゼロ 第5話 皇女 と 魔女 第6話 奪われた 仮面 第7話 コーネリア を 撃て 第8話 黒 の 騎士団 第9話 リ フ レ イ ン 第10話 紅蓮 舞う 第11話 ナリタ 攻防戦 第12話 キョウト から の 使者 第13話 シャーリー と 銃口 第14話 ギアス 対 ギアス 第15話 喝采 の マオ 第16話 囚われ の ナナリー 第17話 騎 士 第18話 枢木スザク に 命じる 第19話 神 の 島 第20話 キュウシュウ 戦役 第21話 学 園 祭 宣 言 ! 第22話 血染め の ユフィ 第23話 せめて哀しみとともに 第24話 崩落 の ステージ 第25話 ゼ ロ(Fin) <◆参戦済スーパーロボット大戦リスト> 関連ページ:スーパーロボット大戦 No 作品 略称 発売日 ハード 備考 55 第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇 第2次Z再 2012/4/5 PSP 第1期、R2 ※ スーパーロボット大戦モバイル M 2012/1/24 iモード 第1期、R2 53 第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 第2次Z破 2011/4/14 PSP 第1期 <関連情報、その他雑感> <◆管理人一押しポイント> ◆TVアニメ ・一押しの見どころ 22話~「虐 殺 で す !!」/ルルの業 ・最もお気に入りのキャラクター (男)ルルーシュ・ランペルージ/(次点)ロイド、ディートハルト(女)ユーフェミア・リ・ブリタニア <◆鑑賞記録> 2010年5月以降に鑑賞した分。◆TVアニメ(2012/3視聴完了)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/6283.html
登録日:2011/01/28(金) 21 22 12 更新日:2024/04/08 Mon 13 11 26NEW! 所要時間:約 11 分で読めます ▽タグ一覧 KMF T 『Tの体勢をとれ!!C.C!!!』 これでもスパロボ基準だとサイズS アヌビス ガウェイン ガウェインたん コウモリ コードギアス ステルス スペックでは圧倒している機体 ゼロ チート ドルイドシステム ネコ耳 ネタバレ項目 ハドロン ハドロン砲 ロイドさんとラクシャータさんの合作 ロイドさんの息子 主人公機 反逆のルルーシュ 指揮官機 猫耳 複座 見た目は悪役 試作機 超火力 黒の騎士団 Gawain 出典:コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE20 「キュウシュウ 戦役」 毎日放送、サンライズ、コードギアス製作委員会 2007年3月8日放送より 『コードギアス 反逆のルルーシュ』に登場する実質的な主役機。 見た目、性能、そして主人公とヒロインの二人乗りという点で作中屈指の人気を誇る機体である。 【目次】 クリックで展開 【目次】 【機体データ】 【機体解説】 【装備】●ハドロン砲 ●スラッシュハーケン ●フロートシステム 【劇中の活躍】◇TVシリーズ◆皇暦2017年(TV版一期) ◆皇暦2018年(TV版二期) ◇劇場版◆皇暦2017年(劇場版Ⅱ「叛道」) ◇漫画◆ナイトメア・オブ・ナナリー ◇その他◆ドラマCD 【派生機】□ギャラハッド □ガレス □アグラヴェイン □蜃気楼 □月虹影 □ガウェイン・リゼロ □ガウェイン天守 □白いガウェイン(仮称) 【ゲーム作品】◆DS版コードギアス 反逆のルルーシュ ◆スーパーロボット大戦シリーズ 【フィギュア】 【機体データ】 型式番号:IFX-V301 所属:神聖ブリタニア帝国→黒の騎士団 全高:6.57m 重量:14.57t 開発者 ロイド・アスプルンド 推進機関:ランドスピナー フロートシステム 武装 ハドロン砲×2 スラッシュハーケン×10 特殊装備:ドルイドシステム 主要搭乗者 ルルーシュ・ランペルージ&C.C. 【機体解説】 神聖ブリタニア帝国の特派が開発した大型KMF(ナイトメアフレーム)。 ランスロットとは対照的な黒と金主体のカラーリングが特徴で頭部には猫耳のようなパーツが生えている。 後に登場するナイトオブワンであるビスマルク卿の専用機・ギャラハッド、量産機・ガレスはこの機体をベースにしている。 次世代KMF用技術の実証を目的とした試作機の一つとして開発された特殊な代物で、旧来のVTOL等に頼らない単独での長距離飛行能力や高威力かつ広範囲な攻撃を可能とする光学兵器など、従来のKMFとは一線を画す数々の新装備を搭載した革新的な機体となっている。 だが、どれもまだ試作レベルで小型化が進んでいないうえにすべてをボディに内蔵する形にしたため、詰め込み過ぎにより機体サイズは通常のKMFの2倍近い大型機となってしまった。 当然従来のKMFとはボディパーツの互換性なども無くなっており、ランスロット以上の規格外機となっている。 ぶっちゃけプリン伯爵の趣味の産物でありロマンの塊。空を飛んでビームをばら蒔く。 複雑化したシステムに合わせてコクピットは前後上下段二席の複座式。 そのためかガウェインの起動キーは2つに分かれている。 操縦レバーもそれぞれに操縦用と火器管制用の二種類が配置されており、2人乗り込まなければ全ての能力を発揮することができないが、負担を考えなければとりあえず1人でも動かすことは可能。 作中では前の席でC.C.が機体の操縦を担当。ルルーシュは後ろでふん反り返って火器管制を担当している。 圧倒的な火力を誇り、対地・対空双方で一対多数の戦闘行動を行え、同時期に登場したKMFの中でも総合性能はトップクラス。 特に空中戦ではその機動力と火力によって敵航空戦力を一方的に壊滅せしめる。 反面、その巨体と砲戦仕様で設計されたために運動性が犠牲となっており接近戦は不得手。 脚部に内蔵されたランドスピナーによって一応の陸上走行能力は確保されているがグロースター辺りのKMFが相手でも、 地上で接近戦になど応じた仕舞には相手の機動力に翻弄されてしまう。 また、ガウェインには世界に数台も無い電子解析システム「ドルイド」が搭載されている。 このドルイドシステムは非常に高い解析能力を有しており、シュナイゼルがガウェインを持ってきていたのは戦闘に使用するためではなく神根島の遺跡解析に用いるためであった。 ただしシステムが解析した情報を適格に処理できるだけの能力を持っていなければその機能を活かしきることは不可能であり、 実際の戦闘中などにこれを使いこなせるのは「ドルイド適性」と呼ばれる一定の情報処理技能を備えたパイロットに限定される。 ガウェインのドルイドシステムはあまり戦闘にはいかされなかったが、のちに十二分に生かした機体が開発されることとなる。 神根島からルルーシュ達が帰還した後は黒の騎士団技術主任のラクシャータにゲフィオンディスターバーの技術を用いて未完成のハドロン砲を調整されて完成。 この時にレーダーなどに対する強力なステルス機能も付随された。 なお、本機はどの世代にも属さないKMFとして扱われている。 【装備】 ●ハドロン砲 両肩と一体化した大口径の荷粒子砲(*1)。 両肩前方に配置された嘴のようなパーツを上下に開き、露出した砲門から赤と黒が入り混じったビームを照射する。 大型KMFの強味である大容量エナジーにより稼働しその威力はランスロットのブレイズルミナスでも防ぎ切れず、並のKMFなら数機まとめて文字通り丸焼きにされてしまう程。 砲門自体が独立可動するため機体の向きを変えなくてもある程度射角を変えることができる。 極短時間の瞬間照射から十秒間以上の連続照射も可能であり、ピンポイントの破壊や照射しながら機体の方向を変えることによる薙ぎ払いなど、攻撃バリエーションも多い。 また、収束率の変更も容易であり拡散発射すれば敵部隊を一撃で殲滅することすらできる正にMAP兵器。 当初は収束率が上がらずビームが拡散してしまい、まともに目標を捉えることも出来なかったが上記の通りゲフィオンディスターバーの応用で完成。 以降黒の騎士団の主力兵器としてブリタニア軍相手に猛威を振るった。 ●スラッシュハーケン 両手の指部分を射出する特殊なタイプ。 通常の打突攻撃や捕縛といった用途の他、ワイヤー部分に切断能力が付加されており使い方次第では敵機を瞬時にバラバラにすることもできる。 ●フロートシステム アヴァロンに搭載されているものを小型化して搭載。 KMF用のフロートとしては最初期のモデルで、本機のものは空中砲撃時の姿勢制御に適した仕様となっており、六枚の翼を持つ独特なデザインになっている。 直系のガレスを含めても後発のブリタニア系KMFでこのデザインを踏襲した機体はいないが、日本系KMFの飛翔滑走翼の四枚羽には技術的影響が窺える。 なお、飛行時には姿勢を安定させるため「T」のようなポーズをとる。 「フロートユニットの大安売りさ・・・」 【劇中の活躍】 ◇TVシリーズ ◆皇暦2017年(TV版一期) 以前からロイドやセシルら特派が設計をしていたものがシュナイゼルの下で建造され、アヴァロンに搭載されエリア11へと運ばれてくる。 本編ではSTAGE 18で初登場。アヴァロンの格納庫から黒の騎士団にハドロン砲を見舞うが未完成だったため取り逃がす。 STAGE 19では神根島の遺跡調査に使われていたが無人かつ起動済みだったためゼロに奪取されてしまう。 STAGE 20ではゼロ専用機としてフクオカ基地に飛来。ランスロットを支援し中華連邦の鋼髏を丸焼きに。 STAGE 23では行政特区の式典会場で暴走したユーフェミアの乗るグロースターをスラッシュハーケンで切り刻み身柄を奪取。 STAGE 24~25ではランスロットを罠に嵌めて捕縛。 更にブリタニアの航空戦力を一掃し、政庁屋上の庭園でコーネリアの駆るグロースターと一騎討ちとなるが、操縦技術と運動性の差で翻弄されフルボッコにされかけてしまう。 この時のルルーシュが言った「スペックでは圧倒している筈なのに!」という台詞は中々に秀逸。 その後ルルーシュの策略で危機を脱するが、今度は暴走したジェレミアのジークフリートが強襲。 連戦で機体ダメージとエナジー消費が大きくなり、最期はルルーシュを神根島へと行かせるためにC.C.が中に乗ったまま、ジェレミアの乗るジークフリートを道連れに海に沈んで本編での出番は終了。 黒の騎士団の中核としての役割をしっかりと果たした。 ちなみに不死であるC.C.は生存していたが、緊急脱出システムの有無が言及されていなかったため「水圧でベッキベキ潰れながら外に出た」とか色々言われていた。 一応外伝ではコクピットブロックを分離させ海上に逃れた様子が描かれている。 ◆皇暦2018年(TV版二期) 深海から引き揚げられたボロボロのガウェインから、 「ドルイドシステム」が蜃気楼の絶対守護領域などに。 「ハドロン砲」が黒の騎士団の旗艦「班鳩(いかるが)」の主武装へと流用される。 壊れた後も役に立つとは改めてガウェインに使われていた技術の凄さ、時代を先取りしていた点を感じざるを得ない……。 ◇劇場版 ◆皇暦2017年(劇場版Ⅱ「叛道」) TV版とは違い神根島ではなくタンザニアの遺跡で中華連邦(インド軍区)に奪取されていた(このため式根島でアヴァロンからハドロン砲を撃ったのが未完成のモルドレッドに置き変わっている)。 その後インド軍区から黒の騎士団に届けられるが、カラーリングは白や赤が加わったチグハグなモノになっており、TV版同様の黒と金に再塗装されたうえでゼロ C.C.の専用機とされた。 扱いはTV版と同じだが、「ジヴォン家が開発に関わった機体」など、外伝の設定を考慮した言及も為されている。 ◇漫画 ◆ナイトメア・オブ・ナナリー 魔王・ゼロの乗機として登場。蜃気楼を差し置いての登場であるあたり、作者も好きであることがうかがえる。 しかし量子シフトで初登場するやいなやロロ・ヴィ・ブリタニアのヴィンセントに攻撃されものの数秒で大破。 その後もゼロと共に登場するがそもそも今作のゼロは素手でKMFと戦う化け物であるため、ほぼ機体内部に搭乗することもなく空を飛べる便利な足場程度の扱いだった。 ◇その他 ◆ドラマCD コードギアス 反逆のルルーシュR2 Sound Episode 4「ロイド と セシル の ナイトメアさん いらっしゃい」に登場。 声は福山潤&ゆかな。 同時に話しあしゅら男爵などといわれ、ロイド・アスプルンドからうざったいと指摘されたため、途中からゆかなボイスonlyになった。 一期ラストについては無理心中と語っている。 二期の急速な技術の発展に伴い、フロートシステムがとぶようになったことについて、 ガウェイン「R2になってから、コードギアスじゃナイトメアもフォートレスもバンバン飛んじゃってるんですよ! バンバン!そりゃもう、フロートユニットの大安売りさ・・・」 と恐ろしく愚痴っていた。 実際、二期の時点では兵装において上位互換と言える後継量産機ガレスも登場したりと、 一期の頃と比べてこの機体の優位性自体はほとんど失われてしまっている。 ガウェイン自体は二期の頃は強力な機体では無くなったものの、 この機体が元になって多くの優秀な機体が開発されているため、その影響力は大きかったと見て間違いない。 というかそもそも本機は試作機であり、そしてことロボアニメに於いては忘れられがちだが 普通、量産機は試作機に勝るもの である。何処ぞの青い月下がおかしいだけ 量産機たるガレスがその試作機であるガウェインを性能で上回る事、 そして一期と二期の間にある新技術が普及する時間を考えれば、ガウェインが相対的に弱体化しているのは至極当然である。 寧ろ、後継機に広く活かされる事になる「フロート・システム」「ハドロン砲」という二大新技術の雛形だった時点でその意義を完遂したと言える。 【派生機】 □ギャラハッド ナイトオブワンであるビスマルク卿の専用機。ガウェインがベースになっている。 □ガレス R2に登場するガウェインの量産型。 ドルイドシステムを廃し、代わりに兵装は充実。 ガウェイン以上の火力を誇るが相変わらず接近戦は苦手。欠陥兵器じゃないか… □アグラヴェイン 外伝『双貌のオズ』にて登場したガレスの系列機(ただし登場時期にガレスは存在していない)。 詳しくはガレスの項目参照。 □蜃気楼 R2におけるゼロの専用機。 正式な系列機ではないが上記の通り破損したガウェインからドルイドシステムなど一部パーツを流用している。 □月虹影 『復活のルルーシュ』に登場する、未完成の試作KMF。 世代は離れるが、大型・二人乗り・指揮官機…といったガウェインの持つ遺伝子を色濃く受け継いでいる。 完成形はまさかのスパロボでお披露目となった。 □ガウェイン・リゼロ アプリゲーム『Genesic Re;CODE』の期間限定イベントにのみ登場する異聞にてゼロを継いだ少女の専用機。 ただし、彼女はKMFの操縦適性が低いため、同乗するC.C.に操縦を任せ指揮を担当している。 ラクシャータが一から組み上げた機体であり、外観はあまり変化していないが、蜃気楼の後に造られたため同機で導入された「絶対守護領域」も搭載しているなど、原型機から大幅にアップデートされている。 □ガウェイン天守 アプリゲーム『ロストストーリーズ』の投票企画により実装された主人公専用機。 海中から引き揚げられた後、ドルイドシステムとハドロン砲がそれぞれ取り外され残っていたガウェインのフレームを復元と共に改修した機体。 機体の形状やシルエットはオリジナルと変わらないが、主人公のイメージカラーに合わせ装甲は蒼月に似た青と赤に変更されている。 コクピットブロックは変わっていないようだが、複座化の原因だった装備類が外されているので単独操縦でも充分に機能を発揮出来るようになったと思われる。 ハドロン砲があった両肩部分には輻射障壁機関を内蔵し防御力を向上。 攻撃兵装は廻転刃薙刀とスラッシュハーケン、あとキック。射撃武器を持たない格闘機で性質的にはギャラハッドなどに近いものになっている。 ちなみに廻転刃薙刀は蒼月と同じ物を使用しているが、機体サイズの違いからステッキのような見た目になっている。 □白いガウェイン(仮称) 『ロストストーリーズ』のC.C.キャラストーリーにて言及された、建造されるかもしれなかった機体。 皇帝となったルルーシュのため、C.C.がセシルにKMFを要求した際にランスロットの予備パーツを組み上げたもの(後のランスロット・フロンティア)か、白いガウェインかの2択を提示する台詞がある。 ガウェインは一人では持てあますという理由でランスロットが選ばれたため、結局建造されることは無かったと思われる。将来実装されるのかもしれないが 【ゲーム作品】 アクションゲームには出たことがない。ギアスのアクションゲームが最近下火のA.C.Eシリーズのみなので今後に期待である。 ◆DS版コードギアス 反逆のルルーシュ 最強クラスの機体。 だがある人物が乗ったグラスゴーに攻撃が当たらないという場面も。 ちなみにとある条件を満たすとナリタの時点で早々にガウェインを手に入れるイベントがある。 その後、イベントシーンの幾つかが無頼からガウェインに変更されている(ただし、一部例外あり)。 式根島のシナリオにおいてガウェインがもう一体登場しており、ルルーシュのガウェインは新たに登場したガウェインのハドロン砲によってでガラクタにされる。そして2機目のガウェインも強奪する展開があるのだが、強奪を阻止しようと敵機として3機目のガウェインが登場する。 ◆スーパーロボット大戦シリーズ 第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 シリーズ初参戦。 パイロットはもちろんゼロとC.C.。 武装の少なさとゼロの特殊技能『戦術指揮』の有用性からあまり前に出ることはない。 パイロットのゼロが攻撃を得意としないのも逆風。 ただ武装の威力は改造で上がるため、後ろで指揮をしながら近くに来た敵機をハドロン砲で一掃するのもアリ。 C.C.にてかげんが、ハドロン砲にはマップ兵器版も存在するので一気に稼いでみたり、異能生命体のトリガーにしたりできる。 きちんと複座式のコクピットやリアル等身カットは戦闘アニメで描かれており、アニメーション自体はかっこいい。 再世篇では斑鳩の武装であるハドロン砲のアニメーションで、ガウェインの面影を確認できる。 スーパーロボット大戦Operation Extend DLCを購入しない限りは最後までゼロ唯一の乗機となる。 武装はスラッシュハーケン、ハドロン砲(通常攻撃版、MAP兵器2種の3パターン)、ドルイドシステムのみ。 ドルイドシステムは自機中心のMAP兵器扱いで移動後にも使用可能。範囲内の敵の防御力と回避能力を落とす。 ドルイドシステムのサポート性能が高く、ゼロが指揮能力を持っているので、特に支援性能に秀でている。 ドルイドシステムを活かす為に敵の中心に乗り込んでシステムを起動、味方に敵を落としてもらいつつ、反撃をしのぐ運用となりやすく、第二次Zとは逆に最前線に位置取りしやすい。 ゼロが鉄壁を持っているので、敵の反撃を耐えるのは問題ないが、ハドロン砲のEN消費が重く、反撃にハドロン砲を使っているとあっという間にENがスッカラカンになってしまう。 DLCを購入すると蜃気楼が手に入り、乗り換えれば攻撃性能・防御性能が上がる半面、C.C.が乗らなくなるので精神支援の面では少々劣る。 一番の特徴であるドルイドシステムはどちらでも使えるので、C.C.を選ぶか機体性能を選ぶかといった所。(C.C.の乗り換え先はない) 【フィギュア】 ROBOT魂 完成品トイとしては唯一の商品。 各部の強度を維持するためにポリカーボネイトと呼ばれる医療器具にも利用されている新素材を使用。 2008年末に発売されて以来、長らく品切れが続いていたが再版されたりもした。 京都府警交通課内にも飾られるほどの完成度である。 そして2020年には「ガウェイン~BLACK REBELLION~」としてリニューアル版がプレミアムバンダイから発売。 四肢やフロートなどのパーツが新規造形となりスラッシュハーケン射出状態の再現パーツなども追加されている。 出典:コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE20 「キュウシュウ 戦役」 毎日放送、サンライズ、コードギアス製作委員会 2007年3月8日放送より 一人じゃないだろう。 俺達はWiki籠もり。お前が追記すると言うのなら、俺が修正すればいいだけだ。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 正直蜃気楼よりルルーシュに似合ってたナイトメアだと思う -- 名無しさん (2013-10-16 09 03 16) デカく見えるけどエステバリス並なんだよな。周りが小さいからなんだが -- 名無しさん (2013-10-16 09 08 37) 中華連邦軍にとって悪魔のような機体 -- 松永さん (2013-10-16 10 26 43) 主人公が主人公だからどんなに格好良くてもラスボス機に見えてしまう。実質の主役機だってランスロットの方だし。 -- 名無しさん (2014-07-22 19 40 21) 黒の騎士団が持ってる機体はどいつもこいつも見た目が悪役 -- 名無しさん (2014-08-02 20 53 02) ds版で何気に二体いてガウェイン対ガウェインが出来る -- 名無しさん (2014-08-02 22 12 34) ポリカってRCやミニ四駆のクリアーボディの素材ってイメージが強い -- 名無しさん (2014-10-16 22 10 02) 「スペックでは圧倒してる筈なのに!」←確かに脆弱者っぽい台詞 -- 名無しさん (2014-10-17 10 37 28) やっぱこいつが一番カッコイイ機体 -- 名無しさん (2014-10-17 20 13 46) スペック以前に実質飛行砲台のガウェインで移動砲台殺しの今までのKMF相手に同じ土俵で戦ったらそりゃ・・・モルドレッド見ると時代を先取りしすぎてたのが敗因 -- 名無しさん (2016-07-30 20 30 41) 何でギャラハッドは近接戦特化なのにこいつをベースにしたんだろうか。 -- 名無しさん (2016-11-21 23 05 42) 大型機はエナジー容量デカイって地があって、ギャラハッドはそれをパワーと近接武器へ極振りしてる。ガウェインの火力以外の部分で穴がデカいのは手探りに色々積んで素の性能をあんま上げてないってだけで中身を実戦向きに変えていけば第九世代機以外じゃあ太刀打ちできんレベルの近接格闘機も出来る。みたいな -- 名無しさん (2016-11-21 23 23 59) まず見た目のデザインが全ナイトメアの中で抜きんでる -- 名無しさん (2018-03-10 06 53 56) ガウェイン・リゼロ。今になって派生機出ると思わなかった。 -- 名無しさん (2022-07-12 05 36 11) スパロボDDではルルーシュがウイングゼロに乗り換えたためV.Vに奪われそのまま乗り回される模様 -- 名無しさん (2022-08-05 21 46 45) 他にないフロート・ハドロン・複座式ってのが良かったな。コクピットで主人公・ヒロインと2人が会話しながら戦うってのも良い。 -- 名無しさん (2022-09-03 21 59 43) 復活のルルーシュ見るにこういう路線のほうがルルに合うってのはあるんだよな -- 名無しさん (2022-09-11 20 04 30) ガウェイン天守、輻射障壁がハドロン砲があった両肩に付いてるから防御クソ硬いし大型KMF特有のパワーで近接戦闘やるってコンセプトはギャラハッドに近いんだよな、あとKMFスキルの殺意が凄い -- 名無しさん (2023-12-09 19 57 40) ガウェイン天守が一人乗りなのはゲーム性の問題で設定上は二人乗りのままでしょ。ホーム画面で主人公が「天守が実現してたらもう一人のパイロットは誰だったんだろう」とコメントしてる -- 名無しさん (2023-12-24 04 23 45) 名前 コメント